中央競馬考察見習い

主に競馬考察

日本ダービー

・レースの概要

言わずと知れた日本競馬の頂点に立つレース。日本の競馬はダービーに始まりダービーに終わるといっても過言ではない。毎年皐月賞組が上位人気に上がり、実際二冠を達成する馬もいる一方で案外な成績で終わることもあります。今年はどちらなのでしょうか。ちなみに高配当は

2019年 三連単19万9060円

2018年 三連単285万6300円

 

とここ5年で2回の三連単の配当が10万越え。これを多いと見るか少ないと見るかはそれぞれだとは思いますが、何れにせよガチガチの結果は少ないと言うことです(1番人気がなかなか勝ちきれない)。今年はコントレイルが人気を集めそうですが、他馬の巻き返しや別路線組の台頭はあるのでしょうか。

 

・臨戦過程

臨戦過程は僕の大事にしていることの一つ目である「成長度」に直接関わってくるファクターです。

まずは皐月賞組です。ここ10年で馬券になっているのは基本的に

・3着以内

・上がり3位以内

の馬です。それに加えると血統的に距離延長が良い馬のみが馬券になっています。つまり、

皐月賞上位で地力の高い馬

・距離が足りず差しきれなかった馬

がダービーで好走します。ダービーと皐月賞のコース形態の違いが顕著に表れている気がします。これに当てはまらなかった馬はこの10年でローズキングダムのみ。

また皐月賞から他のレースを経由してダービーに臨むと言うローテはかなりこの年齢の馬にはハードであると考えられ、オススメしません。

次に他の路線、主に京都新聞杯組と青葉賞組です。この2レースは軽視することができず、昨年も京都新聞杯2着のロジャーバローズが勝ってしまいました。この2レースはよりダービーに近い距離(青葉賞は同じですが)なので距離適性については確実に有るため、これに東京適性があれば皐月賞組を負かしてしまってもおかしくないと思います。この辺りは血統面から探っていきたいと思います。

 

・買いの血統

例年通りでいうと、やはりディープインパクト産駒が好走します。昨年もディープ産駒のワンツーであり、この辺りはイメージ通りと言えるでしょう。ただ、どうやら今年は様子が違うようです。先週のオークスの結果を見てもわかるように、ディープインパクト産駒が好走しません。ディープインパクトの良さといえば溜めて直線で伸びる末脚。一方今の東京競馬場は前残りが顕著。オークスでは異次元の末脚で二冠を達成したデアリングタクトを除く穴馬二頭ウインマリリンとウインマイティはいずれも4コーナー5番手以内と先行しての好走。今週からBコースからCコースへ変わることによって内の芝が回復し、より内伸びの馬場になることが予想され、必然的に前残りの傾向が強くなると考えられるため、あまり末脚を生かすディープ産駒を信頼しすぎるのは良くないと考えます。

 

では今年のダービーで買いの血統はなんなのか。実は昨年のダービーも同様のトラックバイアスがかかっていたのでこれを参考に考えると先行できるディープ産駒です。結局ディープ産駒かとなってしまいますが、やはり軽い馬場に適性があるのもディープ産駒の特徴。ここは抗えません。では具体的に先行できるディープ産駒とはなんなのかというと、ズバリ米国型の母父、牝系にリファールやインリアリティ、マッチェム系のスピードの持続力を補ってくれる血を持っている馬です。昨年は、

1着ロジャーバローズ(父ディープ、母母父がリファールの仔)

2着ダノンキングリー(父ディープ、母父Storm Cat、母父In Reality系)

でした。

 

ディープ産駒以外となるとやはり距離延長に強い欧州型の血統。つまりハーツクライやオルフェーブルなどで、特にサンデー系であることがほぼ必須の条件になります。これは皐月賞で好走できなかった馬の巻き返し要因の一つと考えると良いでしょう。

 

また両方に共通して、距離延長と仕上がりの早さに強いDanzigの血は先週に引き続きプラス要素です。

 

・注意すべき馬

ここでは、たとえ人気であっても注意したい要素、つまりこのレースでは決定的なマイナス要素を紹介します。

①内枠の差し馬

基本的に内枠は有利なのですが、フルゲートでの出走となることが多いため直線で外に出せないことが起こりうる。内のびなことはジョッキーたちもわかっているため先行した馬は内に内にとなるため今の馬場状態だと余計にそれが起こりやすい。

②レース経験が3戦以下

先週のデゼルでも感じたことだが、やはりレース経験は馬を成長させます。特に世代トップレベルの馬が集まるダービーではそれが顕著で、2018年のブラストワンピースなどがそれに当たります。(2番人気5着)

③4角10番手以下の差し馬

先に述べた通り。今の馬場で後ろから行くのはかなり危険。かなり抜きん出た力がないと厳しい。2018年キタノコマンドール(3番人気12着)、2019年サートゥルナーリア(1番人気4着)など。

 

・予想

◎コントレイル

皐月賞は後方から大外を回してサリオスを差し切るという強い勝ち方。ディープx母父アンブライドルズソング(米国型)とダービー向きの血統で、前走稍重皐月賞よりは馬場が軽くなり、直線も長くなる今回の方が向いていると考えられます。東スポ2歳Sのレコード勝ちを含め過去全てのレースで上がり最速を記録しており、これも大きなプラス要素です。唯一の不安点は追走位置です。もともと気性面に問題があり、長い距離をこなすことが無理だろうと思われていたため、この2400mは不安。また後ろからの馬には不利な馬場になっているのも気になる。ただ末脚は間違いないものを持っているので、落ち着いて直線で外に出せれば問題ないだろう。精神的にも成長していると思っている。

◯ワーケア

皐月賞を回避してのダービー直行。過去4戦中ホープフルSのみが良馬場でその時3着で、1,2着場には大きく離されたものの4着以下には差をつけた。ホープフルSでは後ろからになってしまったが、基本いい位置で競馬ができる馬なので、内枠を活かしてスムーズに運べれば面白い。また2歳時には東京競馬場で渋った馬場ながら上がり33秒前半を使って勝っており、適性はあるだろう。弥生賞を使った上積みはあるだろうし、ハーツクライ産駒で距離延長もプラス。母父にDanzigの系統を持っており、仕上がりも問題ない。

 

▲アルジャンナ

いずれもG3ながら重賞を3戦経験しており、毎日杯組ながら臨戦過程は問題ない。血統はディープインパクトを父に持ち、母父にはIn Realityの子孫と軽い芝を得意とし、長くスピードを維持できる血統。新馬戦で2000mも経験しており、意外と距離は大丈夫と見える。前走で折り合いもつくように成長していたためその点においても心配はない。毎日杯ではサトノインプレッサに敗れたが軽い馬場になって見直せる。

 

△ビターエンダー

東京競馬場を4回走って一度も馬券圏内を外していない。2、3番手で道中追走し、そのまま粘りこむというのがこの馬の好走パターン。先週のウインマイティーのように欧州色の強いサンデー系(ウインマイティーは父ゴールドシップ)がこの能力を引き出す。ビターエンダーは父がオルフェーブルで牝系は濃い米国の血を持っている。先週のように前残りが強く残っていれば穴を開ける可能性は高いだろう。

△サリオス

皐月賞2着馬。皐月賞の時は本命に推したものの、今回はあまり舞台にあっていないと考えています。力強い推進力が魅力でマイルではその持続力、皐月賞では渋った馬場と直線の短さに助けられた部分は大きかった。今回軽い芝で長い直線となることにより、コントレイルとの差はより広がり、他馬の付け入る隙を生む可能性があります。さらに外枠ということで先行馬にとってはあまりうれしくありません。

とはいえ強い馬であることは間違い無いので、結局コントレイルの2着ということもあるのかもしれません。その時は素直にサリオスを賞賛しようと思います。

 

△マンオブスピリット

京都新聞杯組ではディープボンドよりはこちらを推薦したいと思います。前走は早いペースで追走しながら最後はしっかり鋭い末脚を伸ばしてクビ差の2着。叩いて二戦目となる今回はより直線が長くなることも味方してさらにパフォーマンスを上げるだろう。

△ヴァルコス

 

 青葉賞組。今年の青葉賞はかなりいいタイムの決着となっており、こちらを単穴にしようかとも考えたほど穴には適している。青葉賞で結果を残していることからこのコースには適性があると思われます。血統的には父に欧州系、母父に欧州型サンデー系母母はディープインパクトの母ウインドインハーヘア。中長距離の適性がかなり高いと考えられ、ポテンシャルは世代でも5本の指に入ると考えています。ただ本格化はおそらくまだ先で、菊花賞では狙いたい一頭です。後ろからの競馬になってしまうのはマイナスで、連下に評価しました。

 

皆さんの予想の参考になれば。