中央競馬考察見習い

主に競馬考察

充実の4歳牝馬とアーモンドアイ

京都競馬場が約2年半の改修工事に入る前最後の開催となった11月1日、東京競馬場では第162回天皇賞(秋)が行われました。このレースの注目は、何と言ってもアーモンドアイの国内芝G1最多勝利(8回)です。ディープインパクトシンボリルドルフなど歴代の名馬が惜しくも届かなかったこの記録に名牝アーモンドアイが挑みました。また、私の好きなクロノジェネシス宝塚記念1着以来となる出走でこの二頭の対決にも注目が集まりました。

 

結果は、

1着 アーモンドアイ

2着 フィエールマン

3着 クロノジェネシス

となり、見事にアーモンドアイが国内芝G18勝の快挙を成し遂げました!!

東京競馬場の芝2000mというアーモンドアイにとってはベストと考えられる条件ではあったものの勝ち切ったのは見事としか言いようがありません。牝馬三冠に止まることなく古馬混合、牡馬牝馬混合G1の勝利も重ねての達成には脱帽です。レース終わりのルメール騎手が涙ながらにインタビューに答えていたのが印象的でした。今年もリーディングジョッキーをひた走っているルメール騎手にもやはり重圧がかかっていたのだと思い、その上でそれをはねのけた彼の偉大さにも改めて気づきました。

 

さて、ここで話はクロノジェネシスに移ります。

かなり荒れた馬場だった宝塚記念は他の馬が苦にした分この馬の有利に働き快勝。その前の大阪杯2着に続き、4歳を迎えての充実ぶりを見せつけてくれました(宝塚記念を勝ったことで、前にブログでも書いた念願のアイドルホースぬいぐるみにもなりました!)。

現役最強牝馬アーモンドアイとの初対決となったこのレース。惜しくも1/2馬身とクビ差で3着となりましたが上がり3ハロンは2着のフィエールマンの32.7秒に続く32.8秒でした。この32秒台の末脚からもわかるように、心配されていた高速馬場への対応も全く問題なく、この馬のオールマイティさには感服しました。レースをご覧になった方はわかると思いますが早くに先頭に立ったアーモンドアイに対し、後方から猛然と追い込んでくるクロノジェネシスを見たときには一瞬勝ったかとさえ思いました。結果として負けたものの4着以下とは大きく差を開けており、間違いなく現役馬の中では最上位クラスだと言えるでしょう。

また、クロノジェネシスと同世代のグランアレグリアも充実の一途で、マイル路線で現役トップクラスの力を持っています。安田記念ではG18勝目を狙っていたアーモンドアイを倒し、その力を見せつけました。この秋はスプリンターズSも勝ち、短距離女王の座を確立しました。この後はマイルCSに挑戦し、マイル春秋制覇を狙います。

 

今年で現役を引退するとみられている現役最強牝馬アーモンドアイ。彼女はマイルから2400mまで幅広い距離で活躍し、史上初の快挙を成し遂げました。気が早いかもしれないですが彼女が去った後のターフはやはり寂しくなるでしょう。しかし今年のG1戦線を見ていると、続く世代のクロノジェネシス、グランアレグリアがそれぞれの得意な距離で活躍しており、アーモンドアイの華には勝てないかもしれないですが、二頭合わせて彼女が去った後も日本競馬を盛り上げてくれるでしょう。また、さらに下の世代を見れば牝馬牡馬ともに無敗の三冠馬が誕生し、どちらもまだ古馬との対決は実現していないものの間違いなく名勝負を見せてくれるでしょう。

アーモンドアイの来たるフィナーレに感慨深さを感じながら、次世代の担い手としていつでも頑張って走って熱い勝負を見せてくれるクロノジェネシスを、これからも応援していきたいと思います。