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エリザベス女王杯を終えて〜祝!キズナ産駒初G1制覇〜

大波乱の結果となりました。

 

エリザベス女王杯を制したアカイイト

出典:netkeiba.com

 

10番人気アカイイトが勝利、上位人気が揃って飛び三連単配当は339万3960円はG1史上6番目の高配当となりました。的中された方はおめでとうございます。一方で私と同じく外された方は非常に多いでしょう。こんなの獲れないよと嘆いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ではこの馬券は本当に獲れなかった馬券なのでしょうか?

 

私も獲れなかったサイドの人間ですので大きなことは言えませんが、もう少しできたことがあるのではないかとも思います。

 

まずこの日の馬場傾向です。この週は土曜日も含めて2000m以上のレースがエリ女までに3レースしかなく、いずれも少頭数だったため馬場を読むのは難しいですが、3レース中2レースが後ろからの馬だけで決着しており、どちらかというと差し優位だったように感じます。また去年のこのレースも後方にいた馬のワンツースリーで決まっていることから、コース形態上差し馬に有利なのでしょう。

 

次に上がりダイムです。先ほど述べたように2000m以上のレースで差しが決まっていましたが、実は上がり3ハロンのタイムはそれほど速くなく、せいぜい35秒台といったところでした。上がりのかかる馬場だったというのも一つポイントでしょう。

 

最後に展開面です。上位人気のレイパパレ・アカイトリノムスメ・ウインマリリンはいずれも前につける競馬で勝ってきた馬であり、今回も同様の作戦であることは想像できたでしょう。また他にもシャムロックヒルやロザムールといったどうしても前に行きたい馬も揃っておりペースが速くなることは予想できたでしょう。

 

以上の点から

上がりのかかる展開が得意な差し馬

に有利なレースだったと予想できたでしょう。

 

もちろん展開面に関しては違ってくる可能性もあるので展開の一点読みはできませんが、割と低くない確率でこうなることが予想できたことになります。

 

この展開を鑑みると、上位人気馬がどれもここに該当しないことに気づきます。

 

そしてこの条件にぴったり当てはまるのがキズナ産駒だということです。

 

キズナ産駒が走り始めた当初は正直なところこういう特徴の脚質に出るとは考えていませんでした。ディープの正統種牡馬のような軽い馬場で切れる脚を使う馬が出てくると考えていました。しかし実際はディープボンド、ソングライン、ファインルージュなど、活躍している産駒を考えれば一目瞭然で、34~35秒台の上がりが活きる差しレースで良績を残しています。これをキズナ産駒の特徴と捉えてまず間違い無いでしょう。

 

話は逸れますが同世代種牡馬であるエピファネイアの方はと言いますと、こちらの方がむしろ切れる脚が使えるタイプで、ディープ的な王道血統に近いと感じます。これに関しては天皇賞秋の回顧でも書いておりますのでよろしければ一読ください。

 

afield.hatenablog.com

 

こういう視点でもう一度馬柱を見てみると近走メンバー中3位以内の上がりを連発しているキズナ産駒2頭に目がいくでしょう。そう、結果1着2着となったアカイイトとステラリアです。

こうなると馬連・ワイドあたりは獲れなくもないでしょうか。

一番難しかったのは3着のクラヴェルかもしれませんね。前走までから斤量を大きく増やし、相手も強化されての一戦。展開利だけで来たのかとも思いましたが、間違いなく成長もしています。しかしこれもやはり展開を読んでいれば買えないということは決してないでしょう。

 

とまあここまで長々と書いても所詮結果論ですね。しかしこの結果論を次のレースに活かすことはできると思います。それほどこのレースは学ぶことが多かったと感じます。

 

改めてキズナ産駒G1初制覇おめでとうございます。ソングラインがNHKマイル2着、ファインルージュが桜花賞3着に秋華賞2着と惜しいところまできていたのですが、なかなかあと一歩が届かない中で念願のG1勝利でした。しかしまさかアカイイトが取るとは多くの競馬ファンの予想を裏切ったことでしょう。

同世代に産駒が走り始めたキズナエピファネイアですが、重賞実績ではエピファネイアが一歩リードしていました。デアリングタクトというスターホースも誕生しました。これはやはりエピファネイアが次世代を担う王道血統であることを意味しているのでしょう。しかしキズナ産駒もこれで初G1制覇です。阪神2200mという特殊な条件で、その良さを十分に活かした勝利でした。今後も王道のレース向きではないかもしれませんが、エピファネイアとともに時代を担う種牡馬になってほしいと心から願っています。

 

最後に来年のエリザベス女王杯阪神2200mで行われるということで、来年検証したいことをメモとして残して終わりたいと思います。

 

メモ:

前走府中牝馬S組で上がり3ハロン上位馬は、負けていても狙う価値あり。

2021 アカイイト 府中牝馬上がり 3位  エリ女1着(10人気)

2020 サラキア  府中牝馬上がり1位 エリ女2着(5人気)

 

東京では切れ負けしてしまって好走できなくても阪神2200mなら向く可能性あり、負けていることで妙味も増すことが予想されるため。

 

来年はキズナ産駒とこの条件に当てはまる馬から買う!