天皇賞・春
・レースの概要
芝3200mが使用される。数少ない長距離重賞なので楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。特殊な条件で行われるためコース適性が顕著に現れるレースとなっており、そこを見極められるかどうかが馬券の鍵となってくる。コース適性の重要性に関してはリピーターが活躍していることから確かめられる。
キタサンブラック 2016年、2017年優勝
フェノーメノ 2013年、2014年優勝
また3000m以上を走ったことがないという馬も例年多数出走しており、馬券にもなっている。その影響か時に大穴馬券が生まれるレースである。
2016年 三連単24万2730円
2015年 三連単23万6300円
2014年 三連単21万1180円
2013年 三連単11万1830円
2012年 三連単145万2520円
2011年 三連単18万9840円
2010年 三連単91万1660円
とここ10年で7回も三連単の配当が10万越え。ただ近3年はそこまで高配当が出ておらず、これをどう判断するのかは議論の余地がある。
1から3番人気が揃って飛ぶということはまずなく、少なくとも一頭は馬券になっている。
・臨戦過程
臨戦過程は僕の大事にしていることの一つ目である「成長度」に直接関わってくるファクターです。古馬の戦いであるため各馬成長度が3歳戦などに比べてバラバラであり、より注意が必要です。
前走は阪神大賞典組や日経賞組、ダイヤモンドS組などが主流であり、その他AJCCや大阪杯などからの参戦という馬も過去に優勝している。前走が何であるかはそこまで大きく関わっていないように感じる。というのもほぼ全馬が距離延長で臨むことになり、偏りが生まれにくいからである。
今年は出走していないが、前年の菊花賞で好走した馬はよく馬券になっている。4歳の成長力とステイヤー適性の影響だろう。
また一度天皇賞春を経験しているかというのも大事で、一度目は凡走に終わったとしてもその経験を二度目に生かして好走するようなパターンもあるからである。
最後に最も大事なのは2000m未満のレース経験である。これは速いペースで追走できるかということに関わっており、長距離しか経験したことがない馬にとってこのG1長距離というのは比較的ペースが速く感じるはずである。なので2000m未満のレース経験は必須と言える。
・買いの血統
まず父はサンデー系が圧倒的によく走ります。
昨年は1着のフィエールマン、2着のグローリーヴェイズともに父ディープインパクトであったが、それ以前を見てみるとステイゴールドやハーツクライなどスタミナよりのサンデー系の方がよく走っている。
牝系は特に母父に大きな傾向があり、ミスプロ系やボールドルーラー系、ノーザンダンサー系の中でも米国型の血やリファールの血を持つ馬がよく走っており、米国的な速さを強く持っていることが重要だと思われる。牝系から補うべきはスタミナよりパワー、スピードであるということである。
この二点に当てはまる馬は数多く穴を開けており、
・カレンミロティック(2015年10番人気3着、2016年13番人気2着)
・ホッコーブレーヴ(2014年12番人気3着)
父マーベラスサンデー母父ダンシングブレーヴ(その父リファール)
・メイショウドンタク(2010年16番人気3着)
などここ10年で単勝10倍以上の馬が10頭馬券になっている。一方一番人気で凡走したゴールドアクター(2016年12着)、フォゲッタブル(2010年6着)などは母方に米国型の血を持っていなかった。
結局父スタミナ型のサンデー系X母父米国型がベストであろう。
・注意すべき馬
ここでは、たとえ人気であっても注意したい要素、つまりこのレースでは決定的なマイナス要素を紹介します。
①2000m以下の距離を経験したことがない
先ほども述べたように長い距離のみで走ってきた馬は速いペースでの追走を経験したことがないため、比較的速めのペースになりがちなこのレースでは対応できないことが多い。長い距離をそれなりのスピードを維持しながら追走するということへの経験が足りないのである。
②母方、特に母父に米国型の血を持たない馬。
①に間接的に関わってくるのだが、スタミナ一点張りの血統では追走ペースに対応できずバテてしまう。父方からスタミナも補ってもらいつつ母方からはスピードを補ってもらう必要がある。結果が大事という観点から、①の理由の近い②よりは①を重要視するのが良いだろう。
・予想
◎フィエールマン
昨年の勝ち馬。リピーターが多いこのレースで昨年なかなか良いタイムで勝っており、また5歳になったが使われすぎていないため衰えは感じない。血統的に米国の血を持たないが、昨年の実績があることから不問。不安要素はない。
◯ユーキャンスマイル
前走阪神大賞典の勝ち方は、メンバーが弱かったとはいえかなり強かった。昨年挑んだ時よりも確実に力をつけている印象で、右回りにも対応できるようになっているそうなので今回への上積みは大きい。
ただ昨年勝ち馬と1.5秒差もつけられたのは気になるところ。また父キングカメハメハで牝系に米国の血を持たないため血統的には不安が大きく、適性はないのかもしれない。それでも昨年5着より上に行けると信じて対抗に推す。
▲モズベッロ
年明けに覚醒したように日経新春杯、日経賞と結果を残し、メンバーの中で最も成長力を感じる馬。安定して速い上がりを使えるのも魅力。父サンデー系、母父はストームバード系の米国型で条件に当てはまっている。父系にスタミナよりの血が少ないのは気になるが、昨年もディープ産駒がワンツーだったのでこの馬もこなせると思います。
△ミッキースワロー
後方待機から4コーナー手前で徐々に上がっていき最後末脚を活かして勝負するという今回のレースに最もあった脚質であろう。父サンデー系で母父ジャングルポケットと母父が米国型ではないのは気になるものの距離延長には向いており、リファールの5X3と強いスピード血統を持っている。関西圏での成績が芳しくなく、輸送を克服できるかもカギになる。軽い芝が得意なので当日馬場が渋らなければ。
△トーセンカンビーナ
前走は出遅れながらも鋭い末脚を使って2着と実績を残しており、血統が父ディープ、母父ミスプロ系の米国型でバッチリ合っており、前走距離をこなせたことからその不安もない。ただ出遅れグセはいただけないので連下まで。
△メイショウテンゲン
ステイヤー路線にシフトしてから着実に実績を重ねている。4歳馬ということもあり成長力があり、同じダイヤモンドステークス組ならミライヘノツバサよりはこの馬を選んだ。血統も父ディープ、母父フレンチデピュティと文句ない。
△シルヴァンシャー
主な重賞実績は昨年の京都大賞典の3着のみで、実績では他馬に劣る。しかしそこでエタリオウやグローリーヴェイズなどを破っており、京都適性がある可能性がある。血統的にも父ディープ母父ミスプロ系でリファールの4X5を持っておりスピードがある。しっかり末脚も使えるので人気薄だが好走しても不思議はない。
皆さんの予想の参考になれば。
フローラS
・レースの概要
芝2000mが使用される。オークスの前哨戦として使われ、桜花賞路線から外れてきた馬の他に、桜花賞の前哨戦を使われてこなかった馬も参戦することで難解なレースとなりやすく、高配当も狙えます。
2018年 三連単11万3290円
2017年 三連単39万7370円
2016年 三連単22万8510円
とここ5年で3回も三連単の配当が10万越え。
・臨戦過程
臨戦過程は僕の大事にしていることの一つ目である「成長度」に直接関わってくるファクターです。
フラワーCのほか、オークスを本線にしている馬は500万下からの参戦も多く好走している。また、未勝利からの参戦で2着したパイオニアバイオの例もあり、前走の条件は問わない形になっている。それはやはり3歳という伸び盛りの時期ということも影響しているのでしょう。
ただし前走大敗している馬は避けた方が賢明で、条件は問わずも前走好走している馬が多い中で、条件間の逆転はあっても大敗した馬が巻き返すのは困難でしょう。
・買いの血統
東京競馬場の芝2000mにしてはディープインパクトが走らず、タフな馬場を得意とする血統が好走します。例を挙げると、
・ハービンジャー(5人気3着ノームコア、12人気1着モズカッチャン、10人気2着ヤマカツグレース)
などです。特にハービンジャー産駒は穴を開けやすく、これはハービンジャー産駒の仕上がりの早さとタフな馬場への適性が見事にマッチしているからでしょう。これらの血統を持つ馬は多少人気がなくても狙ってみてもいいかもしれません。
ただし、ディープインパクト産駒も全く走らないというわけではなく、出走頭数の割に走っていないというだけなので買ってはいけないというわけではありません。
まとめると、サンデーサイレンス系やキングカメハメハにタフなノーザンダンサー系やロベルト系、トニービンなどを配合した血統です。
東京2000mはこの時期の牝馬にとってはタフな馬場だということですね。
・注意すべき馬
ここでは、たとえ人気であっても注意したい要素、つまりこのレースでは決定的なマイナス要素を紹介します。
①1800m以下の距離でしか好走したことがない
想像以上にタフなコースであることから、少なくとも2000mの適性がないとまず馬券に絡むことはありません。そういう意味で1800m以下の距離でしか好走したことがないというのは注意したい内容で、適性距離が2000mより短い可能性が高いです。2000mを経験したことがない馬は血統面から判断するのが良いでしょう。
②レース経験が浅い
クラシックの前哨戦で好成績を残して大事に育てられていった馬ならいざ知らず、このレースを使う馬は地道に条件戦を勝ち上がったような馬なのでレースの中で成長していった馬の方が有利です。具体的には3戦以上使っている馬の方がいいでしょう。
近10年でレース経験が二戦以下で馬券に絡んだのは唯一2014年1着のサングレアルのみでした。
・予想
◎レッドルレーヴ
のちに共同通信杯3着するフィリオアレグロと熱い叩き合いを演じた新馬戦、ダントツの1番人気に応えた未勝利戦、G3フラワーカップ2着を経ての参戦で、レース経験は十分。重馬場ではあるが東京2000mは経験しており、血統面から考えても距離適性は大丈夫であろう。
血統面でも父ディープインパクト母父キングカメハメハに加え、母系にトニービンやノーザンテーストという重厚な血統背景を持っており、上記の買いの血統に当てはまります。
注意馬の条件にも当てはまらず、軸としては優秀なのではないでしょうか。
◯ウインマリリン
新馬戦を圧勝、二戦目の若竹賞は5着に敗れたものの三戦目のミモザ賞は快勝し臨戦態勢は整っている。負けた若竹賞は唯一の1800mでジョッキーも松岡正海だったので2000m、横山武史では負けなし。中山競馬場しか経験していないことは気になるところ。
血統面ではサンデーにロベルトの父スクリーンヒーローに加えてDanzigの4X4のクロスがあるので買いの血統に当てはまる。内枠で先行でき、脚質も申し分ない。
▲ヴォリアーモ
新馬では負けたものの続く未勝利で圧勝、休み明けのゆりかもめ賞で後方から伸びて2着と三戦経て臨む。特に圧勝した未勝利戦は今回と同じ舞台で適性があると言えるだろう。
血統はトニービンの3X4、ノーザンテーストの4X4で今回求められるスタミナを持ちながら、父父キングカメハメハ、母父父サンデーサイレンスで日本の芝適性もある。かなり向いている血統と言えるのではないだろうか。早いペースを経験しておらず、開幕初週の東京競馬場のスピード感に対応できるかが課題。
△エレヴァテッツァ
父ディープインパクトに母父トニービンと血統から推せる面があり、前走未勝利戦の勝ちかたも良かった。早い流れも経験しており、最内枠から好位で進められると思うので展開は向くと予想される。
ただ東京競馬場、2000m未経験な点と臨戦過程が二戦なのが気になる処ではある。
△ホウオウピースフル
新馬、百日草特別と連勝したのちクイーンCは大敗。これは距離短縮の影響もあるだろう。血統面からも父オルフェーブルなどからタフなレースには向いている。
ただペースが早くなった前走ではいい位置で競馬を進められなかったため、同じように早いペースになるであろう今回も好位追走できるかが問題。相手関係もそこまで強くなかったこともマイナスに挙げられる。
△スカイグルーヴ
新馬戦同舞台で0.9秒差の圧勝、京成杯2着と文句のない成績。血統も父エピファネイアがまだ未知数のところはあるが母アドマイヤセプターで良血馬。
ただ今回は二戦しか使っていないことを重要視して連下に下げた。
△フアナ
新馬戦であのアドマイヤビルゴに0.1秒差の2着、次の未勝利戦では楽に勝利し臨む。早いペースでも好位につけて上がりも最速で勝てたのがいい内容だった。
血統も父ルーラーシップで母父ディープインパクト、トニービンの3X4を持っているため今回の条件にバッチリ適合する。
ただ二戦しか使っていないことと使った二戦が新馬戦と未勝利なこと、8枠に入ったことで連下まで。
皆さんの予想の参考になれば。
種牡馬としてのキズナ、エピファネイアを評価してみた。
2019年に初年度産駒がデビューした新種牡馬たち。その中でも光った成績を残したと言えるのがキズナとエピファネイアではないでしょうか。次点のゴールドシップも条件次第ではこの二頭を上回る結果を残していますが、この記事ではキズナとエピファネイアに絞って評価してみたいと思います。
同い年で、ダービーでは1着、2着と互いに切磋琢磨しあった二頭ですが、種牡馬としての戦いは始まったばかり。ともに日本を代表する種牡馬となれるのでしょうか。
①まず二頭の血統背景から紹介します。
◯キズナ
父ディープに母父Storm Catとディープ系の王道血統。母父から米国型のパワーを取り込みつつ父から日本の馬場への適性とスピードを受け継ぎ、日本の主流血統と言えます。比較的若い頃から活躍でき、いわゆるクラシック路線を戦っていくのに最適な血統で、キズナ自身もダービーを制し、3歳にして凱旋門賞に挑戦するなどその血統背景をわかりやすく反映しています。
得意な馬場は軽く直線が長いコースで、東京競馬場や阪神競馬場などがそれに当たります。
名牝シーザリオに父シンボリクリスエスを付けた、シーザリオの仔の代表馬。その牝系から見ていくと、母父がスペシャルウィークでディープ同様日本の芝適性とスピードを強化し、母母父がSadler's Wellsで心肺機能の高さ、すなわちスタミナを補っている。牝系だけで言えば中長距離までをこなし、やはり直線の長いコースを得意としそうである。実際シーザリオは桜花賞だけでなくオークスも制している。
一方父はシンボリクリスエスと、ロベルト系の名種牡馬で爆発力と相手強化でも好走する力を持つ仔が多く、大穴を開けることもままある血統。安定して強い血統ではない。タフな馬場を得意とし、中山競馬場で好走する産駒が多い。
②次に、競走馬としての成績を見てみます。全ての産駒が親と似たような成績を残すわけでは当然ないのですが、遺伝の度合いによっては早熟性や得意とする馬場が似たりするのが理由です。
◯キズナ
特徴としては
・走り方が固まってからは後方で脚をためて直線での末脚を生かすという走り方になっている。
・マイルから2400mの中距離が得意距離。
・渋った馬場でもこなせる。
・東京、阪神が得意。
といったところでしょうか。先ほども言いましたが、血統背景を強く反映しています。
特徴としては
・中団でレースを進め、直線でも末脚で伸びてくるような走法。キズナほどの切れる末脚はないが、中団から前目でレースが進められるのがいいところ。
・2000mから3000mまでの中長距離を得意とする。
・不良馬場の菊花賞を取ったように渋った馬場も得意。
・クラシックは2着ー2着ー1着
③さて、ここまで二頭のことについて紹介しましたが今大事なのは種牡馬としての力。結果が全てなので、桜花賞終了時点のリーディングサイアーランキングを確認してみましょう。
となっています。錚々たるメンツが並んでいますがキズナとエピファネイアの名前はありません、、、。しかしちょっと待ってください。これは総合のランキングであり、新種牡馬である二頭にとっては当然不利なランキングです。では3歳馬に限ったサイアーランキングはというと、
となり、二頭がかなり上位に来ています。トレンドを反映するこちらのランキングで上位に入ることは次世代の種牡馬を担っていくことにつながるため、しっかり二頭ともトップ10どころかトップ5にランキングしていて種牡馬道は好スタートと言えるでしょう。また、クラシックでの成績も気になる中でエピファネイア産駒デアリングタクトが桜花賞を制したことで、クラシックでも通用することがわかりました。
④最後にそれぞれの代表産駒からその特徴を探ります。
◯キズナ
代表馬:マルターズディオサ
牝系はミスプロ系ゴーンウェストの血統。阪神JF2着、チューリップ賞1着と桜花賞の王道路線でレシステンシアと凌ぎを削ったものの、本番の桜花賞では重馬場のせいもあってか8着に敗れた。デビューしてから全てマイルを使われている。
この結果は産駒全体の成績と似ており、
・重馬場より良馬場が得意
・距離は1600mから2000mが得意
・阪神競馬場に適性あり
・脚質は先行
以上のことがわかります。先行脚質が多いことを除けばいかにもディープの後継種牡馬といった感じですね。重賞4勝、OP特別7勝とコンスタントに結果を残している一方、G1勝ち馬はいません。
代表馬:デアリングタクト
牝系はキンカメにサンデーの血を入れた王道血統の重ね書きのような血統で、結果SSの4x3を持つ。桜花賞を制し無敗の桜花賞馬となった。エルフィンSをレコード勝ちしたのも忘れてはならない。特徴はその驚くべき末脚で、まさに「全てを負かしていく」異次元の末脚を持っている。良馬場、重馬場どちらでも勝っている。桜花賞よりオークスの方が適性がありそうなので期待したい。
産駒全体の特徴としては、
・良馬場より稍重くらいの方が得意
・距離は2000m前後が得意
・坂のあるコースが得意
・脚質はバラバラ
であり、キズナ産駒とは相容れない結果となりました。面白いのが脚質で、デアリングタクトの他にエルセンブルグという馬のように足を溜めに溜めて力強い末脚で差す馬もいる一方でロールオブサンダーのように逃げ馬までいます。重賞1勝、OP特別4勝とキズナ産駒には劣る一方、桜花賞馬を輩出するなど爆発力がある印象です。
またこれらの特徴は馬券のヒントになりそうです。
結論:初年度産駒の活躍は3歳馬のリーディングサイアーランキングから明らか。産駒はそれぞれの特徴を反映しながら、それぞれの良さを生かしている。それぞれにハイレベルな産駒がおり、現役時代の二頭のように種牡馬になっても互いに凌ぎを削って種牡馬界を賑わせてくれることは間違いないだろう。
種牡馬としてのキズナ、エピファネイアを評価してみた。
2019年に初年度産駒がデビューした新種牡馬たち。その中でも光った成績を残したと言えるのがキズナとエピファネイアではないでしょうか。次点のゴールドシップも条件次第ではこの二頭を上回る結果を残していますが、この記事ではキズナとエピファネイアに絞って評価してみたいと思います。
同い年で、ダービーでは1着、2着と互いに切磋琢磨しあった二頭ですが、種牡馬としての戦いは始まったばかり。ともに日本を代表する種牡馬となれるのでしょうか。
①まず二頭の血統背景から紹介します。
◯キズナ
父ディープに母父Storm Catとディープ系の王道血統。母父から米国型のパワーを取り込みつつ父から日本の馬場への適性とスピードを受け継ぎ、日本の主流血統と言えます。比較的若い頃から活躍でき、いわゆるクラシック路線を戦っていくのに最適な血統で、キズナ自身もダービーを制し、3歳にして凱旋門賞に挑戦するなどその血統背景をわかりやすく反映しています。
得意な馬場は軽く直線が長いコースで、東京競馬場や阪神競馬場などがそれに当たります。
名牝シーザリオに父シンボリクリスエスを付けた、シーザリオの仔の代表馬。その牝系から見ていくと、母父がスペシャルウィークでディープ同様日本の芝適性とスピードを強化し、母母父がSadler's Wellsで心肺機能の高さ、すなわちスタミナを補っている。牝系だけで言えば中長距離までをこなし、やはり直線の長いコースを得意としそうである。実際シーザリオは桜花賞だけでなくオークスも制している。
一方父はシンボリクリスエスと、ロベルト系の名種牡馬で爆発力と相手強化でも好走する力を持つ仔が多く、大穴を開けることもままある血統。安定して強い血統ではない。タフな馬場を得意とし、中山競馬場で好走する産駒が多い。
②次に、競走馬としての成績を見てみます。全ての産駒が親と似たような成績を残すわけでは当然ないのですが、遺伝の度合いによっては早熟性や得意とする馬場が似たりするのが理由です。
◯キズナ
特徴としては
・走り方が固まってからは後方で脚をためて直線での末脚を生かすという走り方になっている。
・マイルから2400mの中距離が得意距離。
・渋った馬場でもこなせる。
・東京、阪神が得意。
といったところでしょうか。先ほども言いましたが、血統背景を強く反映しています。
特徴としては
・中団でレースを進め、直線でも末脚で伸びてくるような走法。キズナほどの切れる末脚はないが、中団から前目でレースが進められるのがいいところ。
・2000mから3000mまでの中長距離を得意とする。
・不良馬場の菊花賞を取ったように渋った馬場も得意。
・クラシックは2着ー2着ー1着
③さて、ここまで二頭のことについて紹介しましたが今大事なのは種牡馬としての力。結果が全てなので、桜花賞終了時点のリーディングサイアーランキングを確認してみましょう。
となっています。錚々たるメンツが並んでいますがキズナとエピファネイアの名前はありません、、、。しかしちょっと待ってください。これは総合のランキングであり、新種牡馬である二頭にとっては当然不利なランキングです。では3歳馬に限ったサイアーランキングはというと、
となり、二頭がかなり上位に来ています。トレンドを反映するこちらのランキングで上位に入ることは次世代の種牡馬を担っていくことにつながるため、しっかり二頭ともトップ10どころかトップ5にランキングしていて種牡馬道は好スタートと言えるでしょう。また、クラシックでの成績も気になる中でエピファネイア産駒デアリングタクトが桜花賞を制したことで、クラシックでも通用することがわかりました。
④最後にそれぞれの代表産駒からその特徴を探ります。
◯キズナ
代表馬:マルターズディオサ
牝系はミスプロ系ゴーンウェストの血統。阪神JF2着、チューリップ賞1着と桜花賞の王道路線でレシステンシアと凌ぎを削ったものの、本番の桜花賞では重馬場のせいもあってか8着に敗れた。デビューしてから全てマイルを使われている。
この結果は産駒全体の成績と似ており、
・重馬場より良馬場が得意
・距離は1600mから2000mが得意
・阪神競馬場に適性あり
・脚質は先行
以上のことがわかります。先行脚質が多いことを除けばいかにもディープの後継種牡馬といった感じですね。重賞4勝、OP特別7勝とコンスタントに結果を残している一方、G1勝ち馬はいません。
代表馬:デアリングタクト
牝系はキンカメにサンデーの血を入れた王道血統の重ね書きのような血統で、結果SSの4x3を持つ。桜花賞を制し無敗の桜花賞馬となった。エルフィンSをレコード勝ちしたのも忘れてはならない。特徴はその驚くべき末脚で、まさに「全てを負かしていく」異次元の末脚を持っている。良馬場、重馬場どちらでも勝っている。桜花賞よりオークスの方が適性がありそうなので期待したい。
産駒全体の特徴としては、
・良馬場より稍重くらいの方が得意
・距離は2000m前後が得意
・坂のあるコースが得意
・脚質はバラバラ
であり、キズナ産駒とは相容れない結果となりました。面白いのが脚質で、デアリングタクトの他にエルセンブルグという馬のように足を溜めに溜めて力強い末脚で差す馬もいる一方でロールオブサンダーのように逃げ馬までいます。重賞1勝、OP特別4勝とキズナ産駒には劣る一方、桜花賞馬を輩出するなど爆発力がある印象です。
またこれらの特徴は馬券のヒントになりそうです。
結論:初年度産駒の活躍は3歳馬のリーディングサイアーランキングから明らか。産駒はそれぞれの特徴を反映しながら、それぞれの良さを生かしている。それぞれにハイレベルな産駒がおり、現役時代の二頭のように種牡馬になっても互いに凌ぎを削って種牡馬界を賑わせてくれることは間違いないだろう。
桜花賞
春の牝馬クラシック1戦目、マイル女王を決める桜花賞がついに開幕します。昨年は2番人気グランアレグリアが圧勝しましたね。一方で1番人気ダノンファンタジーが4着に敗れるなど実は少し難しいレースという印象もあります。今年は前哨戦阪神JFとチューリップ賞の上位三頭が全く同じであることに注目。素直にこのまま決まるのか、はたまた他路線の馬が台頭してくるのか、ここがポイントになりそうです。
point:阪神JFとチューリップ賞の上位三頭で決まるのかどうか
先週の大阪杯とは異なり外回りに変わることから直線が長くなることがポイントです。ワンターンで直線が長いことから素直に強い馬が勝つレースとなっており、世代を代表するような馬を見極めることができれば自ずと的中につながるでしょう。
本命は◎サンクテュエールです。
年明けは牝馬限定戦の前哨戦を使わずにシンザン記念から直行というあのアーモンドアイと同じローテ。だからアーモンドアイと同じだけの力があるというわけではないが、朝日杯FS5着のプリンスリターンやきさらぎ賞1着のコルテジアなど牡馬を負かした力は評価できる。先行しながらも常に上がり上位で、馬群を恐れない胆力を持った強い馬に鞍上がルメールジョッキーということでこの馬を本命にしました。血統的には安定の父ディープインパクトで牝系から米国型のパワーとサドラーズウェルズのスタミナを補強した正統派。輸送と馬場状態が懸念されるが、輸送はともかくシンザン記念では荒れた馬場の内を通って伸びてきたので問題ないでしょう。
対抗は◯レシステンシアです。
前走の評価が難しいところですが、私はあまり先行する気が無かったが故の敗戦だと思います。阪神JFの勝利により桜花賞の出走は確定していたためチューリップ賞は勝ちにこだわらなかったと考えるのが妥当でしょう。前走は強くハナを主張しなかったものの流れで逃げてしまったため中途半端なペースになり、番手に控えていたマルターズディオサらに差されてしまいました。本来は力強い逃げで後続馬の脚を使わせて差させないという競馬が持ち味なので、それをもう一度発揮させてくれれば難なく勝ってしまうのではないかとも思っています。
血統は阪神のマイル前後に強いダイワメジャー産駒ということで信頼でき、鞍上は武豊ジョッキーということで死角は無さそうですが唯一、外枠に入ったというのがマイナスです。内の方に入っていれば本命にしていたのですが、さすがに外はマイナスということで対抗にしました。
単穴には▲クラヴァシュドールです。
レシステンシアと同様に阪神JF、チューリップ賞上位馬。マルターズディオサに勝てていないが、上がりの脚が使えるという点で評価。前残りの展開の利を得て好走していたというよりはこの馬の力といった印象がある。父ハーツクライからも重馬場適性はあるとみてここではマルターズディオサを逆転できると判断しました。前哨戦を使っているのもよく、いいパフォーマンスを発揮できるでしょう。
連下には△デアリングタクト、△マルターズディオサ、△ミヤマザクラ、△マジックキャッスル。
△デアリングタクト
人気しすぎな気はするがやはり怖い馬。前走エルフィンSの末脚は数段上の雰囲気を感じました。スター性という点からも買いたくなる気持ちもあるのですが、純粋に実績のなさを見て連下に下げました。ただ父エピファネイアから重馬場もこなすと考えられるのであっさり勝ってしまうのではないかとも思ってしまいます。
△マルターズディオサ
阪神JFとチューリップ賞の上位馬。キズナ産駒は阪神での実績があり、コース適性もある。ただ展開に恵まれていたとも考えられ、地力の高さはまだ疑問が残る。
△ミヤマザクラ
ラジオNIKKEI杯では勝ち馬マイラプソディに離されたものの牡馬相手に2着と好戦し、クイーンC1着と実績はある。ただ長い距離を使ってきたせいもあり速いペースに慣れていない。レシステンシアやスマイルカナの逃げにより速いペースが予想される中でこれはマイナス。兄弟馬からもより長い距離がベストだと考えられる。
△マジックキャッスル
2着続きだがいずれも勝ち馬はミヤマザクラ、レシステンシア、マルターズディオサとツワモノ揃い。サフラン賞を除きメンバー最速の上がりを使えるのが魅力。陣営が軽い芝を所望しているので重馬場適性に不安があるが、血統からは母父シンボリクリスエスなので大丈夫ということもあるのではないかと考えている。
大阪杯の結果とクロノジェネシス
今回の大阪杯、好きなクロノジェネシスが出走するということで、実は密かにクロノジェネシスに関して抱いていた野望がありました。それは彼女が「アイドルホースぬいぐるみ」になることです。「アイドルホースぬいぐるみ」は大体G1を2勝以上した馬が採用されていて、大阪杯に出走している馬の中で言うとラッキーライラックがぬいぐるみ化されています。クロノジェネシスは秋華賞を勝っているため、この大阪杯を勝てばかなり高い確率でぬいぐるみ化されるわけです。そして結果は、、、
残念ながら2着でした。
勝ったのはラッキーライラック。緩い流れの中でもしっかりと末脚を伸ばして強い勝ち方をされたので完敗としか言いようがないですが、やはり残念さは拭えません。しかしクロノジェネシシスも大外枠を引きながらも北村友一騎手の好騎乗もあって好意で道中進められ、最後の直線では前を走っていたジナンボー、ダノンキングリーを捉えて勝ち馬と半馬身差の2着と牡馬を蹴散らして実りのある一走となり、改めてこの馬の実力を感じられました。予想の結果は
◎クロノジェネシス2着
◯ラッキーライラック1着
▲ワグネリアン5着
△ブラストワンピース7着
△ダノンキングリー3着
△ジナンボー6着
比較的硬い結果となりかなり納得いく予想ができました。特にやはりブラストワンピースの評価を下げたのは正解で、このメンバーで7着はかなり負けた印象です。最後のコーナーまでは後方から徐々に位置を上げていったのですが、直線では全く伸びずこの結果に。想定どおりこの日の阪神芝は前残りの傾向が強く、上位三頭はいずれも3、4番手までで進めていた馬で、4着カデナ、5着ワグネリアンは末脚を伸ばしたものの届かず。特にカデナは復調の兆しなのかメンバー最速の上がりで3着ダノンキングリーをかわすかと思うほどの勢い。展開が変わっていれば馬券内もあったかもしれません。次に注意したい一頭です。
ここまでは大阪杯全体の振り返りをしましたが、ここからは個人的に私が好きなクロノジェネシスに焦点を絞ってお話ししていきます。レースが終わったテンションで書いておりますのでより拙い文章になってしまうかもしれませんがご了承ください。
クロノジェネシス、このレースが始まる前は不安な点が二つありました。一つは大外枠を引いたこと。二つ目は相手関係の強化による不安です。一つ目は北村騎手の見事な騎乗により解決されました。私が感動したのは二つ目です。今までの相手は牝馬が多く、前走の京都記念で初めて古馬の牡馬相手となったのですが大阪杯に比べればやはり相手は落ちます。ダービー馬ワグネリアンやグランプリホースブラストワンピース、今成長真っ只中の4歳牡馬最強クラスダノンキングリーなどがいる中でどんな結果になるのかわからずドキドキしていたのですが、結果は堂々の2着。この馬の持ち味である「キレる末脚を長く活かす」を存分に発揮できたレースで、最後200mの時点では勝ったとさえ思いましたが最後は勝ち馬の末脚に及ばず非常に悔しい結果に。エリザベス女王杯の雪辱とはなりませんでしたが、タイム差も縮まっており古馬になって上昇していくラッキーライラックとともに切磋琢磨していく様子もなんだかいいなという感じです。
バゴ産駒というのは活躍した馬が少なく、クロノジェネシスが圧倒的な代表産駒となっている状態です。なのでクロノジェネシスは血統面からの予想がしづらい馬とも言えるのですが、逆に僕はこの馬の可能性を信じて馬券を買い続けています。京都記念勝ち、大阪杯2着と古馬になっても好成績を収め、さらなる成長を見せてくれるクロノジェネシスですがこのまま古馬での活躍を続けてくれるのでしょうか。それとも、、、
馬には早熟型、晩成型などありますがこの馬はどちらなのか。これはその馬の競走馬人生を振り返って初めて断言できることではあるのですが、血統を頼りに考えてみます。父バゴは自身が3歳の時に凱旋門賞を勝ったものの4歳後半は案外といった結果。最後に臨んだジャパンカップは8着と生涯最低成績となってしまいました。とはいえ二度目の凱旋門賞も3着と、4歳時も高い水準でキープできていたので一概に早熟とは言い切れませんが晩成型とはいえないといったところ。一方牝系でみていくと半姉ノームコアは現在5歳で、今年は高松宮記念の15着のみですがそれは非適性距離だから。4歳時はヴィクトリアマイル、富士ステークスとマイル重賞を2勝しており、十分な結果を残しています。ノームコアの今年のマイル成績が気になるところですが、以上からクロノジェネシスについて言えることは、「4歳までは少なくとも大丈夫」ということでしょうか。
当然好きな馬には長く活躍してほしいものですが、リスグラシューのように華々しく勝って引退というのも美しい。クロノジェネシスのさらなる活躍に期待しつつ、去り際は美しくあってほしいものです。
大阪杯
日に日にコロナの猛威が増しており、ついに今日JRA関係者、ジョッキーにも感染者が出てしまいました。このままいくと来週以降の開催も危ぶまれるのでしょうか。個人的には今が競馬の一番いいシーズンだと思うので、できる限り開催は続けて欲しいと思います。もちろん過半数のジョッキーが感染するような状況になってまで開催して欲しいとは思いませんが。
あまり陰鬱な気持ちになっていてもしょうがないので、切り替えて先週の反省、今週の予想をしていこうと思います。
先週の日曜中京のメインはG1高松宮記念でした。タフな中京コースということもあってスプリント戦にしては緩めのペースで進行し、結果は前残り。クリノガウディーの降着などもありなんだかわちゃわちゃした結果になってしまいましたが、わかりやすく脚質が出ることになりました。有力視されていたダノンスマッシュやタワーオブロンドンは中団で進めていたのですが最後は全く伸びず波乱の決着とは成りましたが、人気馬の中で唯一目を引いたのはグランアレグリアです。先ほど述べたように前残りの結果となり、上がりを使う馬にとっては不利な展開だったのですが、その中でメンバー最速の上がり33.1秒を使い2着。昨秋のNHKマイルから1ハロンずつ距離を縮めていきどうかと思われた1200mでしたが、私の予想を良い方に裏切ってくれてこの結果。どんな展開でも切れる末脚を使えることがわかり、スプリント〜マイル路線でのさらなる活躍を期待せざるを得ません。次走予定はヴィクトリアマイルとなっており約1年ぶりのマイルとなりますが、成長度を含めて本命に推したい一頭です。(昨年6月にデビューした全弟ブルトガングが新馬戦を勝ってすぐ早逝してしまったのがより悔やまれます、、、)ちなみに血統的には父ディープインパクトの芝適正、末脚を持ちながら、母父Tapitで短距離ダートでも活躍するようなパワーとスピードを補強しており、短距離適性の源泉となっているのでしょう。
高松宮記念の結果を書いていたはずがグランアレグリアで熱くなってしまいほとんどレースに関係ない話となってしまいましたが、レースに関して書きたかったことは全部書いたつもりです。(そんなに書きたいことがなかったということです。)
ちなみに予想の結果は
◎アウィルアウェイ11着
◯ダノンスマッシュ10着
▲セイウンコウセイ7着
△グランアレグリア2着
△タワーオブロンドン12着
△モズアスコット13着
△ナックビーナス14着
散々な結果となってしまいました。本当に的外れな予想をしてしまったと反省しています。
さ、気持ちを切り替えて今週末の予想です。今週末は春の中距離G1大阪杯(阪神芝2000m)です。昨年は9番人気と人気薄のアルアインが勝ち、1番人気ブラストワンピースが6着と波乱の結果となりました。コースとしては正面スタンド前からスタートしてゴール前の坂を二回登るのでタフなコースと思われがちですが、その坂はあまり急ではなく、血統的にもディープ産駒が好走していることからそこまでタフなコースではないと言えるでしょう。サンデー系X米国型が好走しており、昨年のアルアインもこれに当たります。いわゆる燃え尽きないディープ産駒にも注目していきたいです。脚質的には差しより先行有利です。これは内回りで直線が短いことに起因すると考えられます。
と言いつつ本命は◎クロノジェネシスです。
もちろん1番好きな馬ですから本命です。しかしこれはただ好きというだけではなくて実力も当然考えての◎です。先ほどサンデー系X米国型が好走すると申し上げたのですが、そもそもバゴ産駒は出走歴がなく、未知数です。母父はクロフネは2017年に2着になったステファノスと同じで米国型とこちらは当てはまっています。ちなみに米国型の中でもデュピティミニスター系に注目しており、クロフネはこれに当たります。阪神は2歳時、3歳時に経験しており、距離的にも秋華賞と同じ2000m、さらには速い末脚の持続力が売りのこの馬にとって内回りというのはプラスではないでしょうか。大外は少しマイナスかもしれませんが、少頭数なので案外大丈夫ということもあるでしょう。
対抗は◯ラッキーライラックです。
血統的にはサンデー系X米国型に当てはまっており、父オルフェーブル自身がG2時代の大阪杯を勝っています。阪神は桜花賞などで経験済みで、距離は血統的にも実績的にも問題ないでしょう。休み明けよりは叩いて2戦目に好走するタイプで、中山記念はダノンキングリーに離されて2着だったものの巻き返しは狙えると思います。また、古馬になってより一層強くなったと感じており、牡馬との斤量差2kgもプラス材料です。
単穴には▲ワグネリアン。
昨年には末脚を伸ばして3着に来ており、今年も狙える。血統的には米国型の血は入っていないのですが、ここは実績を買っての単穴です。休み明け好走するタイプで、ジャパンカップ以来となる今回は好走するパターンです。成長度は特にないと思われますが、単純に実績上位ですし、リピーターも多いレースですので今年も買おうと思います。
連下には△ブラストワンピース、△ダノンキングリー、△ジナンボー。
△ブラストワンピース
ダンチヒ系は連続で好走しないことや血統的に合っていないことなどマイナス要素は正直多いが、出遅れなければ走る可能性はある。連下の中では最も評価は低く、外す可能性もある。
△ダノンキングリー
4歳で伸び盛り。皐月賞3着、ダービー2着と世代最強クラス。血統もサンデー系X米国型でデュピティミニスター系ではないもののほぼ完璧と言えるが、唯一燃え尽き型の可能性があることが心配である。マイルCSの時も毎日王冠での好走に比べると案外な結果に終わってしまったが、今回も中山記念で走りすぎた気もする。これがどう出るのかは正直わからないが、つけ込む隙はありそうだということで連下まで落とした。
△ジナンボー
血統からくる期待ほどの実績は今の所残せていないが、やはり期待はしてしまう。この馬の不思議なところは、差し馬が有利な展開な時に限って先行して好走するところ。前走小倉大賞典もそうで、展開的には勝ったカデナに有利な差し、追い込み優勢の中で唯一前残りした。逆に極端なスローペースや2400m以上の距離、内枠の時に走らない。今回はどれにも当てはまらなさそうなので、穴馬としては面白い一頭ではないだろうか。