NHKマイルC
・レースの概要
芝1600mが使用される。府中のマイル戦というありきたりな条件ながら3歳のこの時期で多頭数ということもあり経験の差や適性の差が勝敗を分けるため、高配当も出やすい。
2019年 三連単41万680円
2018年 三連単12万9560円
2017年 三連単29万6160円
とここ5年で3回も三連単の配当が10万越え。
1番人気の凡走、二桁人気の好走と両方のパターンがあり、結論からいうと枠順がかなり大きく関わってくる。
ここ10年のレース映像を見返してみると4コーナーを過ぎたあたりで逃げ、先行馬の足が止まり始め馬群が急激に詰まる。ここで壁ができるため内に進路をとっていた差し馬は思ったように進めず後退。一方かなり後ろにつけていた馬でもすんなり外に出せた馬は馬場の中どころを通っても差し届く。
前者の代表例は2018年1番人気12着タワーオブロンドン、 後者の代表例は2019年14番人気2着ケイデンスコール。
・臨戦過程
臨戦過程は僕の大事にしていることの一つ目である「成長度」に直接関わってくるファクターです。
ほとんどの馬がアーリントンC、ニュージーランドT、毎日杯、ファルコンSのいずれかからの出走。しかしながらいずれも東京競馬場以外で行われているため、大まかな力量差はつかめても東京適性などで逆転もあり得てしまい、ここの勝ち負けをそこまで重視する必要はない。
ただ過去の穴馬の一つの特徴として、これら前哨戦での成績はよかったもののそれまでの成績があまり芳しくないなどの理由からフロック視されたりして本番でも人気せず結果穴馬になるということがあります。(昨年3着のカテドラルはアーリントンC2着ながら7番人気)
ちなみに今年の前哨戦の評価は
・買いの血統
逃げ馬と差し馬で買いたい血統はかなり違ってきます。
逃げ馬はダイワメジャー産駒。差し有利なレース展開になりやすいこのレースで馬券になる逃げ先行馬は大抵が人気馬です。その中で数少ない穴を演出する逃げ先行馬はダイワメジャー産駒を買っておけば問題ないです。そのほかにはクロフネ産駒も狙い目で、人気馬も含めた逃げ先行馬の好走例は、
2019 アドマイヤマーズ 2人気1着 (ダイワメジャー)
2017 アエロリット 2人気1着 (クロフネ)
ボンセルヴィーソ 6人気3着 (ダイワメジャー)
2016 メジャーエンブレム 1人気1着 (ダイワメジャー)
2013 フラムドグロワール 8人気3着 (ダイワメジャー)
一方差し馬はそこまで大きな傾向はないものの昨年はハーツクライの血を持つ馬が2頭も馬券になるということからも中から長距離適性のある馬を狙うのが良いと考えられます。
・注意すべき馬
ここでは、たとえ人気であっても注意したい要素、つまりこのレースでは決定的なマイナス要素を紹介します。
今回は一点だけで、
・内〜中枠の差し馬
前半のペースが速くなり、直線で前が壁になりやすいので内の差し馬がうまく外に出せず凡走するというパターンは多く、先ほど挙げたタワーオブロンドンの他にも2017年1番人気17着カラクレナイなど。逆に差し馬は外枠の方が狙い目。
・予想
◎レシステンシア
桜花賞はデアリングタクトに敗れはしたがこの馬は本当に名馬だと思う。どんな馬場でもこなし、どんなペースでもしぶとく逃げる。逃げ馬ながら直線で後退していくという印象が全くない。重馬場の桜花賞では流石にデアリングタクトの異次元の末脚に持って行かれたが良馬場開催が予想される今回なら最後まで伸びてくれると信じている。
血統的にはダイワメジャー産駒で逃げ馬というのがぴったりはまっているし、2016年勝ち馬のメジャーエンブレムと血統(父ダイワメジャー、牝系にサドラーズウェルズやダンチヒなど欧州色の濃い血統)や臨戦過程、脚質など何から何まで重なって見える。
枠も二枠と内のほうを引けて死角はないだろう。
◯サトノインプレッサ
新馬戦、1勝クラス、G3とデビューから3連勝中。特に印象的だったのは前戦。出遅れて最後方からの競馬となったがメンバー中最速の上がりで勝利。しかもラスト3Fだけで、2番目に上がりが速かったアルジャンナに0.4秒差つけていた。デビューから常に重、稍重馬場を使っており軽い芝に変わるのがどうかというところはあるが、父ディープからもむしろ軽い馬場の方が得意だと考えられる。ここ二戦続けて出遅れているがこの馬の足なら後方からでも届くだろう。差し馬の八枠での成績が良いため枠での評価も高い。
血統面では父ディープに加えて母サプレザは英マイルG1で三連勝するなどマイル適性もあると見え、問題ない。名手武を背に最後の直線を駆け上がってきてほしい。
▲ボンオムトゥック
前走アーリントンCはこのレースにも出走しているタイセイビジョン、ギルテッドミラー、プリンスリターンに敗れているがタイセイビジョン以外の二頭とはほぼ差がない。何より注目したのは最後の伸びである。ボンオムトゥックのみがゴール手前でもグングン伸びており、実際上がり3Fはタイセイビジョンについで2番目。つまり前走はエンジンがかかりきる前にゴールしてしまった形で、さらに直線が長くなる今回なら狙える。特にタイセイビジョンを枠の影響で切ったことでアーリントンC組では一番評価している。
唯一不安な点は鞍上が初騎乗の田中勝春だということです。
△プリンスリターン
内枠先行馬でレシステンシアの次に買いたい馬。ハイペースで先行馬にとって不利だった前走もしっかり残して3着。いつもそのしぶとさで人気以上の活躍をしている。輸送を経験しているのも強み。先に挙げた馬はいずれも輸送を経験したことがないのでどう転ぶかわからないところがある。他の馬が輸送の悪影響を受けるようなら。
△ハーモニーマゼラン
父ダイワメジャーの先行馬なので人気はないが買っておきたい。(切っても良いのかもしれない)
△ルフトシュトローム
新馬、1勝クラス、G2と3連勝中。いずれも最速の上がりを使っており、外枠の差し馬としては狙いたい。ただ似たような血統の馬にガロアクリークがおり、同様に中山に適性があっただけのようにも思える。かなりコース形態が変わる今回はどうか。また、前走はそこまで相手関係が強くなかったためそこで辛勝なようでは少なくともサトノインプレッサより評価を上げることはできない。
△ウイングレイテスト
朝日杯、ファルコンSは大敗したが、前走ニュージーランドTでは大外を回しての三着。勝ち馬ルフトシュトロームとの差は走ったルートの差だろう。何よりも馬体を併せてからの粘り強さがあり、隣のサトノインプレッサとともに突っ込んできても不思議ではない。同じウインマリリンがG2で勝利したこともプラス材料。
皆さんの予想の参考になれば。