中央競馬考察見習い

主に競馬考察

充実の4歳牝馬とアーモンドアイ

京都競馬場が約2年半の改修工事に入る前最後の開催となった11月1日、東京競馬場では第162回天皇賞(秋)が行われました。このレースの注目は、何と言ってもアーモンドアイの国内芝G1最多勝利(8回)です。ディープインパクトシンボリルドルフなど歴代の名馬が惜しくも届かなかったこの記録に名牝アーモンドアイが挑みました。また、私の好きなクロノジェネシス宝塚記念1着以来となる出走でこの二頭の対決にも注目が集まりました。

 

結果は、

1着 アーモンドアイ

2着 フィエールマン

3着 クロノジェネシス

となり、見事にアーモンドアイが国内芝G18勝の快挙を成し遂げました!!

東京競馬場の芝2000mというアーモンドアイにとってはベストと考えられる条件ではあったものの勝ち切ったのは見事としか言いようがありません。牝馬三冠に止まることなく古馬混合、牡馬牝馬混合G1の勝利も重ねての達成には脱帽です。レース終わりのルメール騎手が涙ながらにインタビューに答えていたのが印象的でした。今年もリーディングジョッキーをひた走っているルメール騎手にもやはり重圧がかかっていたのだと思い、その上でそれをはねのけた彼の偉大さにも改めて気づきました。

 

さて、ここで話はクロノジェネシスに移ります。

かなり荒れた馬場だった宝塚記念は他の馬が苦にした分この馬の有利に働き快勝。その前の大阪杯2着に続き、4歳を迎えての充実ぶりを見せつけてくれました(宝塚記念を勝ったことで、前にブログでも書いた念願のアイドルホースぬいぐるみにもなりました!)。

現役最強牝馬アーモンドアイとの初対決となったこのレース。惜しくも1/2馬身とクビ差で3着となりましたが上がり3ハロンは2着のフィエールマンの32.7秒に続く32.8秒でした。この32秒台の末脚からもわかるように、心配されていた高速馬場への対応も全く問題なく、この馬のオールマイティさには感服しました。レースをご覧になった方はわかると思いますが早くに先頭に立ったアーモンドアイに対し、後方から猛然と追い込んでくるクロノジェネシスを見たときには一瞬勝ったかとさえ思いました。結果として負けたものの4着以下とは大きく差を開けており、間違いなく現役馬の中では最上位クラスだと言えるでしょう。

また、クロノジェネシスと同世代のグランアレグリアも充実の一途で、マイル路線で現役トップクラスの力を持っています。安田記念ではG18勝目を狙っていたアーモンドアイを倒し、その力を見せつけました。この秋はスプリンターズSも勝ち、短距離女王の座を確立しました。この後はマイルCSに挑戦し、マイル春秋制覇を狙います。

 

今年で現役を引退するとみられている現役最強牝馬アーモンドアイ。彼女はマイルから2400mまで幅広い距離で活躍し、史上初の快挙を成し遂げました。気が早いかもしれないですが彼女が去った後のターフはやはり寂しくなるでしょう。しかし今年のG1戦線を見ていると、続く世代のクロノジェネシス、グランアレグリアがそれぞれの得意な距離で活躍しており、アーモンドアイの華には勝てないかもしれないですが、二頭合わせて彼女が去った後も日本競馬を盛り上げてくれるでしょう。また、さらに下の世代を見れば牝馬牡馬ともに無敗の三冠馬が誕生し、どちらもまだ古馬との対決は実現していないものの間違いなく名勝負を見せてくれるでしょう。

アーモンドアイの来たるフィナーレに感慨深さを感じながら、次世代の担い手としていつでも頑張って走って熱い勝負を見せてくれるクロノジェネシスを、これからも応援していきたいと思います。

宝塚記念の結果とクロノジェネシス

個人的に忙しくなったためしばらく更新できていませんでしたが、さすがに今回は投稿せざるを得ませんでした。

そう、現役馬の中で最も応援しているクロノジェネシス宝塚記念が圧勝したのです。2着との差はなんと6馬身、一番人気サートゥルナーリアとは約12馬身差と文句のない勝ち方。もちろん馬場のアヤがあったのは間違いないのですがそれでもただただ嬉しい結果で、最後の200mではもうずっと叫んでしまいました。

全頭の着順は

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出典:netkeiba.com

のようになりました。

今回予想を投稿できなかったためこの結果を見ていきたいと思います。

直前に雨が降ったせいもあって直前でクロノジェネシスのオッズがぐんぐん下がり、結果2番人気に(もちろん私も買ったのですが、、、)。

スタート直後は、大体の馬がスムーズに進んでいった一方でキセキが出遅れ後方から。クロノジェネシスはラッキーライラックの後ろあたり中団という位置どり。サートゥルナーリアはさらにその少し後ろで向正面へ。

ここで動きがありました。3コーナー手前で後方からキセキが、それに合わせる感じでクロノジェネシスも上がっていきました。ラッキーライラックとクロノジェネシスが併せる形で4コーナーを回りましたが併せていたのも束の間、ラスト200mではクロノジェネシスの手応えが十分で突き放す形。他の馬があまり伸びない一方でぐんぐん伸びていくクロノジェネシス。その後ろでは外を回ったサートゥルナーリアも伸び悩み、4コーナーで前をつけていたキセキが粘る。ラッキーライラックは後方からモズベッロ、メイショウテンゲンに差され決着。

 

上がりが他の馬より1秒近く速いことからもわかるように、やや重馬場のなかクロノジェネシスだけが圧倒的に伸びていました。父バゴは凱旋門賞を3歳時に制しており、多少タフな馬場なら他の馬に比べると得意な条件なのでしょう。一方で父ロードカナロアのサートゥルナーリアは馬場を気にして4着と、馬場適性が明暗を分ける形となりました。

 

2着、3着には穴馬のキセキ、モズベッロが入りました。

キセキは昨年の2着からもわかるようにコース適性あり。ただ近走の出遅れ続きなどがあり評価が下がって6番人気まで落ちました。なので2着はあまり驚くような内容ではないでしょう。

モズベッロは天皇賞春からの参戦。しかし天皇賞春では振るわず7着だったのでこのメンバーの中だと12番人気まで下がりました。しかしやはり戦歴を見ても3200mは長かった印象で、今年に入ってから2回走ったG2で2回とも連対している結果を素直に評価するとここまで評価を下げる必要はなかったのかもしれません。状態面もよく、また前走で初めて58kgを背負った経験も生きたのかもしれません。

個人的に今回馬券に絡んだ二頭の穴馬から学んだことは、

「リピーターを軽視するな、4歳馬の成長力を軽視するな」

ということです。

 

馬券的には厚めに買った単勝と三連複を的中させてもらい、なんとか上半期の負けを取り返すことができました。もちろん馬券を当てさせてもらった感謝もあるのですが、何よりもクロノジェネシスがこのメンバーで宝塚記念を圧勝したことが嬉しいです。

秋華賞からはずっと本命にし続け、もちろん秋華賞を勝った時も嬉しかったのですが今年に入ってからはどこかでこの馬の限界を心配していました。京都記念勝ちはしたものの相手に恵まれた感じもあり、大阪杯でレベルが上がったもののラッキーライラックにはエリザベス女王杯に続いて負けてしまったのがその原因でした。しかし今回、4歳牡馬最強のサートゥルナーリア、絶賛好調中のラッキーライラック、その他G1馬6頭も含め、ここで勝つようなら間違いなく「強い」馬と言えると思いました。結果は上にも書いた通り圧勝。サートゥルナーリアを応援していた人には馬場が味方しただけと言われそうですが、あれだけ圧勝したのは間違いなくこの馬の「強さ」だと言い切れます。

アーモンドアイを下し安田記念を勝ったグランアレグリアも4歳馬。カレンブーケドールも昨年ジャパンカップで2着などやはり現4歳牝馬はかなりレベルの高い世代だと言えそうです。どこまで活躍を続けることができるかはわかりませんが、これからもクロノジェネシス、ひいては現4歳牝馬を応援していきたいと思います。

 

北村友一ジョッキー、クロノジェネシスおめでとう!そしてありがとう!

安田記念

・レースの概要

安田記念東京競馬場で行われるマイル戦。古馬マイルG1は秋のマイルCSと今レースの二つ。当然世代の最強クラスのマイラーが集まってきます。特に今年の安田記念は例年以上のメンツが集まりました。特に昨年のリベンジでアーモンドアイが出走するということで、昨年の覇者インディチャンプとの勝負の行方が気になるところです。

また近年の気になる高配当は、

 

2017年 三連単28万3000円

2016年 三連単15万3560円

2015年 三連単12万7190円

とここ5年で3回も三連単の配当が10万越え。1から3番人気が揃って飛ぶようなことはないにしろ、人気馬が安定して走らず5番人気以下の穴馬が頻繁に好走しています。

 

・臨戦過程

臨戦過程は僕の大事にしていることの一つ目である「成長度」に直接関わってくるファクターです。

主なステップレースとしては京王杯、マイラーズカップダービー卿CTが挙げられますが、今年は特に他のレースからの参戦が多く(海外G1含む)、ステップレースの見極めは重要になってきます。

まずダービー卿CTからはロゴタイプなど好走する馬が時々出てきますが、G3ということもあって他のステップより多少レベルは落ちてしまうので2着馬までを評価するのが良さそうです。

次に京王杯組もそれなりに良い成績を残しています(2017年勝ち馬サトノアラジンなど)。そして京王杯組の特徴は人気薄の好走馬が多いということです。同じ東京競馬場で行われる1400m戦からの参戦が良いということで、この時期の東京マイルの傾向である「マイルより短い距離に適性がある馬が好走する」ことを如実に表しているのではないでしょうか。ステップとしてこのようなレースを経験することはプラスに働くようです。

マイラーズカップは要注意です。京都競馬場のマイルで行われるこのレースはマイルCSと同条件であり、安田記念と求められる能力が異なることに注意する必要があります。マイルCSで好走する馬は安田記念と相性が悪いのは結果からもわかっており(マイルCS常連のペルシアンナイトなど)、春秋マイル制覇したインディチャンプなどは特別なケースです。

この他にもG1からの参戦が今年は多く、その取捨選択は難しいところですが基本的に距離延長を重くみていきたいと考えています。

・買いの血統

 

 欧州系の血統が走ります。人気薄ながら好走した馬を見ていくと、

2019年 4番人気1着 インディチャンプ(父ステイゴールド

2018年 9番人気1着 モズアスコット(父フランケル

2017年 8番人気2着 ロゴタイプ(父ローエングリン

2016年 8番人気1着 ロゴタイプ

2015年 12番人気3着 クラレント(父ダンスインザダーク

と欧州系の父系を持ち、モズアスコット以外はサンデーサイレンスの血も持っています。特に今年は週末の天気が悪く、タフな馬場になりそうなので欧州の血が入っている馬を狙ってみるのが良いと思います。

・注意すべき馬

ここでは、たとえ人気であっても注意したい要素、つまりこのレースでは決定的なマイナス要素を紹介します。

①外枠の馬

昨年は特に顕著でしたが、内枠有利な傾向があります。これは安田記念の傾向というよりもこの時期の東京競馬場の傾向と言えるかもしれません。タイプ的に安田記念に向かないと思われていたスワーヴリチャード(2017年3着)も1枠のおかげだと思っています。また昨年7枠かつスタート直後に大きな不利を受けながらも3着に食い込んだアーモンドアイはやはり力がある証拠でしょう。

②1800m以上に適性がある馬

先ほども述べたようにこのレースで好走する馬は1400mよりも短い距離に適性を持つ馬であり、反対に1800m以上に定期性がある馬の信頼度は低いと考えられます。2017年1番人気11着リアルスティールなど。特に枠がよくない馬などは合わせ技で消しでも良さそうです。

 

マイルCSで好走する馬

先に述べたような理由からマイルCSで好走する馬を過剰に信頼してはいけません。ただし昨年春秋マイル制覇したインディチャンプは例外と考えます。

・予想

◎インディチャンプ

昨年の勝ち馬。リピーターが多いこのレースなので評価が高い。遅咲きのステイゴールド産駒で昨年よりも状態がいいことが予想される。実際マイラーズカップも昨年よりも着順を挙げており、昨年と同じく年明け三戦目で乗り込みも十分。血統的にも欧州型サンデー系のステイゴールド産駒で今回の条件に合っている。渋った馬場がどうかだが、アーモンドアイよりはこなせそう。連覇すればウオッカ以来の偉業となるが、それに向けての準備は整っていると見た。

 

◯アーモンドアイ

言わずと知れた現役最強馬。昨年とは異なり内枠に入れたので逆転の余地はある。ほとんど死角はないものの、渋った馬場だけが心配。G1最多8勝目を目指して欲しいと思う一方で、強いと思っているからこそ些細な不安点を過剰気味に心配してしまいます。

▲グランアレグリア

高松宮記念2着からの参戦。初めての1200mながら2着というのは短距離適性がある証拠で、今回求められている能力に合致する。前走で重馬場を経験しており、得意ではないにしても走れている。多少馬場が渋ってもこなせるだろう。少し外気味の枠に入ったのがマイナスではあるが、ギリギリ許容範囲内であろう。

△ダノンプレミアム

適性距離は1800m以上で、マイルCSで好走していることから高い評価はできないが、最内枠に入ってしまったため、3着には入ってくる可能性が出てきた。前目に付けれるのも不気味で、案外残ってしまうかもしれない。

 

△ダノンキングリー

大阪杯3着からの参戦。前走が2000mというのはあまり評価できないが、逃げたということで多少ペース的には減点が減る。ディープxStorm Catはサトノアラジンの例があり、1600mに適性がある可能性は否めない。4歳馬のディープ産駒ということで成長力が期待でき、内枠にも入ったため期待できる。ただ上位二頭に勝つビジョンは見えず、あっても3着か。

 

△クルーガー

ダービー卿CTの勝ち馬。相手は一気に強くなるが、馬場が渋るようならチャンスがある。今の東京競馬場マイル戦のトレンドIn Realityの血を引いており、適性はある。内枠に入って先行できるようなら。

△アドマイヤマーズ

 

 同舞台のNHKマイルの勝ち馬。昨年末、モーリスも勝った香港マイルを制しており、そのポテンシャルは十分高い。父ダイワメジャーノーザンテーストの血が入ったサンデー系で、条件を満たしている。しかし馬場が渋った富士Sで敗れており、雨が降りそうな今回は向かないか。年内初戦というのも気になるところ。

 

上位二頭は固い気がします。

 

皆さんの予想の参考になれば。

日本ダービー

・レースの概要

言わずと知れた日本競馬の頂点に立つレース。日本の競馬はダービーに始まりダービーに終わるといっても過言ではない。毎年皐月賞組が上位人気に上がり、実際二冠を達成する馬もいる一方で案外な成績で終わることもあります。今年はどちらなのでしょうか。ちなみに高配当は

2019年 三連単19万9060円

2018年 三連単285万6300円

 

とここ5年で2回の三連単の配当が10万越え。これを多いと見るか少ないと見るかはそれぞれだとは思いますが、何れにせよガチガチの結果は少ないと言うことです(1番人気がなかなか勝ちきれない)。今年はコントレイルが人気を集めそうですが、他馬の巻き返しや別路線組の台頭はあるのでしょうか。

 

・臨戦過程

臨戦過程は僕の大事にしていることの一つ目である「成長度」に直接関わってくるファクターです。

まずは皐月賞組です。ここ10年で馬券になっているのは基本的に

・3着以内

・上がり3位以内

の馬です。それに加えると血統的に距離延長が良い馬のみが馬券になっています。つまり、

皐月賞上位で地力の高い馬

・距離が足りず差しきれなかった馬

がダービーで好走します。ダービーと皐月賞のコース形態の違いが顕著に表れている気がします。これに当てはまらなかった馬はこの10年でローズキングダムのみ。

また皐月賞から他のレースを経由してダービーに臨むと言うローテはかなりこの年齢の馬にはハードであると考えられ、オススメしません。

次に他の路線、主に京都新聞杯組と青葉賞組です。この2レースは軽視することができず、昨年も京都新聞杯2着のロジャーバローズが勝ってしまいました。この2レースはよりダービーに近い距離(青葉賞は同じですが)なので距離適性については確実に有るため、これに東京適性があれば皐月賞組を負かしてしまってもおかしくないと思います。この辺りは血統面から探っていきたいと思います。

 

・買いの血統

例年通りでいうと、やはりディープインパクト産駒が好走します。昨年もディープ産駒のワンツーであり、この辺りはイメージ通りと言えるでしょう。ただ、どうやら今年は様子が違うようです。先週のオークスの結果を見てもわかるように、ディープインパクト産駒が好走しません。ディープインパクトの良さといえば溜めて直線で伸びる末脚。一方今の東京競馬場は前残りが顕著。オークスでは異次元の末脚で二冠を達成したデアリングタクトを除く穴馬二頭ウインマリリンとウインマイティはいずれも4コーナー5番手以内と先行しての好走。今週からBコースからCコースへ変わることによって内の芝が回復し、より内伸びの馬場になることが予想され、必然的に前残りの傾向が強くなると考えられるため、あまり末脚を生かすディープ産駒を信頼しすぎるのは良くないと考えます。

 

では今年のダービーで買いの血統はなんなのか。実は昨年のダービーも同様のトラックバイアスがかかっていたのでこれを参考に考えると先行できるディープ産駒です。結局ディープ産駒かとなってしまいますが、やはり軽い馬場に適性があるのもディープ産駒の特徴。ここは抗えません。では具体的に先行できるディープ産駒とはなんなのかというと、ズバリ米国型の母父、牝系にリファールやインリアリティ、マッチェム系のスピードの持続力を補ってくれる血を持っている馬です。昨年は、

1着ロジャーバローズ(父ディープ、母母父がリファールの仔)

2着ダノンキングリー(父ディープ、母父Storm Cat、母父In Reality系)

でした。

 

ディープ産駒以外となるとやはり距離延長に強い欧州型の血統。つまりハーツクライやオルフェーブルなどで、特にサンデー系であることがほぼ必須の条件になります。これは皐月賞で好走できなかった馬の巻き返し要因の一つと考えると良いでしょう。

 

また両方に共通して、距離延長と仕上がりの早さに強いDanzigの血は先週に引き続きプラス要素です。

 

・注意すべき馬

ここでは、たとえ人気であっても注意したい要素、つまりこのレースでは決定的なマイナス要素を紹介します。

①内枠の差し馬

基本的に内枠は有利なのですが、フルゲートでの出走となることが多いため直線で外に出せないことが起こりうる。内のびなことはジョッキーたちもわかっているため先行した馬は内に内にとなるため今の馬場状態だと余計にそれが起こりやすい。

②レース経験が3戦以下

先週のデゼルでも感じたことだが、やはりレース経験は馬を成長させます。特に世代トップレベルの馬が集まるダービーではそれが顕著で、2018年のブラストワンピースなどがそれに当たります。(2番人気5着)

③4角10番手以下の差し馬

先に述べた通り。今の馬場で後ろから行くのはかなり危険。かなり抜きん出た力がないと厳しい。2018年キタノコマンドール(3番人気12着)、2019年サートゥルナーリア(1番人気4着)など。

 

・予想

◎コントレイル

皐月賞は後方から大外を回してサリオスを差し切るという強い勝ち方。ディープx母父アンブライドルズソング(米国型)とダービー向きの血統で、前走稍重皐月賞よりは馬場が軽くなり、直線も長くなる今回の方が向いていると考えられます。東スポ2歳Sのレコード勝ちを含め過去全てのレースで上がり最速を記録しており、これも大きなプラス要素です。唯一の不安点は追走位置です。もともと気性面に問題があり、長い距離をこなすことが無理だろうと思われていたため、この2400mは不安。また後ろからの馬には不利な馬場になっているのも気になる。ただ末脚は間違いないものを持っているので、落ち着いて直線で外に出せれば問題ないだろう。精神的にも成長していると思っている。

◯ワーケア

皐月賞を回避してのダービー直行。過去4戦中ホープフルSのみが良馬場でその時3着で、1,2着場には大きく離されたものの4着以下には差をつけた。ホープフルSでは後ろからになってしまったが、基本いい位置で競馬ができる馬なので、内枠を活かしてスムーズに運べれば面白い。また2歳時には東京競馬場で渋った馬場ながら上がり33秒前半を使って勝っており、適性はあるだろう。弥生賞を使った上積みはあるだろうし、ハーツクライ産駒で距離延長もプラス。母父にDanzigの系統を持っており、仕上がりも問題ない。

 

▲アルジャンナ

いずれもG3ながら重賞を3戦経験しており、毎日杯組ながら臨戦過程は問題ない。血統はディープインパクトを父に持ち、母父にはIn Realityの子孫と軽い芝を得意とし、長くスピードを維持できる血統。新馬戦で2000mも経験しており、意外と距離は大丈夫と見える。前走で折り合いもつくように成長していたためその点においても心配はない。毎日杯ではサトノインプレッサに敗れたが軽い馬場になって見直せる。

 

△ビターエンダー

東京競馬場を4回走って一度も馬券圏内を外していない。2、3番手で道中追走し、そのまま粘りこむというのがこの馬の好走パターン。先週のウインマイティーのように欧州色の強いサンデー系(ウインマイティーは父ゴールドシップ)がこの能力を引き出す。ビターエンダーは父がオルフェーブルで牝系は濃い米国の血を持っている。先週のように前残りが強く残っていれば穴を開ける可能性は高いだろう。

△サリオス

皐月賞2着馬。皐月賞の時は本命に推したものの、今回はあまり舞台にあっていないと考えています。力強い推進力が魅力でマイルではその持続力、皐月賞では渋った馬場と直線の短さに助けられた部分は大きかった。今回軽い芝で長い直線となることにより、コントレイルとの差はより広がり、他馬の付け入る隙を生む可能性があります。さらに外枠ということで先行馬にとってはあまりうれしくありません。

とはいえ強い馬であることは間違い無いので、結局コントレイルの2着ということもあるのかもしれません。その時は素直にサリオスを賞賛しようと思います。

 

△マンオブスピリット

京都新聞杯組ではディープボンドよりはこちらを推薦したいと思います。前走は早いペースで追走しながら最後はしっかり鋭い末脚を伸ばしてクビ差の2着。叩いて二戦目となる今回はより直線が長くなることも味方してさらにパフォーマンスを上げるだろう。

△ヴァルコス

 

 青葉賞組。今年の青葉賞はかなりいいタイムの決着となっており、こちらを単穴にしようかとも考えたほど穴には適している。青葉賞で結果を残していることからこのコースには適性があると思われます。血統的には父に欧州系、母父に欧州型サンデー系母母はディープインパクトの母ウインドインハーヘア。中長距離の適性がかなり高いと考えられ、ポテンシャルは世代でも5本の指に入ると考えています。ただ本格化はおそらくまだ先で、菊花賞では狙いたい一頭です。後ろからの競馬になってしまうのはマイナスで、連下に評価しました。

 

皆さんの予想の参考になれば。

オークス

・レースの概要

牝馬三冠の二戦目。

東京競馬場2400mで行われる。ほぼ全ての馬が未経験の舞台であるため、適性を見極められるかがポイント。大きく桜花賞組とそれ以外に分けられ、桜花賞組の成績が比較的良い。その一方でフローラS組などのオークスをメイチで仕上げてきた馬もおり、そのような馬は比較的人気薄になりやすい。

近年は堅い決着が多く、1番人気は近6年連続連対、近4年連続優勝と素直に信頼して良いでしょう。その一方で人気薄が一頭絡んでくるケースが多く、昨年も2着に12番人気カレンブーケドールが入りました。今回は人気馬を信用しつつ適度に穴馬を見定めたいと思います。ちなみに近5年で三連単配当が10万円を超えたのは昨年のみです。

 

 

・臨戦過程

臨戦過程は僕の大事にしていることの一つ目である「成長度」に直接関わってくるファクターです。

まず桜花賞組。昨年は1、2着馬が桜花賞未出走で3着に桜花賞3着のクロノジェネシスが入りました。桜花賞1着のグランアレグリアが出走しなかったこともありますが、おそらく出走していても馬券圏外だった可能性が高いでしょう。というのも流石に1600mから800mも伸びるとなると中長距離適性は必須で、オークスで好走した馬はその後も中長距離を舞台に活躍しています。グランアレグリアは明らかにマイル以下の適性が高いためオークスでは好走しなかったでしょう。

今年の桜花賞は重馬場で開催され、例年よりも桜花賞組の扱いは難しくなりました。ただ最低でも一桁着順であることは地力の面から必要だと考え、今回は桜花賞で二桁着順の馬の巻き返しは厳しいと思い切りました。

桜花賞組以外となるとやはり1800m以上は最低経験している馬。この時期の3歳馬の成長力を考えてもこの経験は非常に大きいと考えられ、具体的にはスイートピーSフラワーC忘れな草賞で好走経験がある馬は注意が必要です。昨年は1着ラヴズオンリーユーが忘れな草賞勝ち、2着カレンブーケドールがスイートピーS勝ち。

桜花賞に狙いを定めて1600mばかり使われてきて桜花賞でも好走しなかった馬というのはまず切りで大丈夫でしょう。桜花賞で好走していても怪しいくらいですので。

 

 

・買いの血統

東京競馬場のクラシックということでダービー同様やはりディープインパクト産駒が強いです。昨年も1、2着ともにディープ産駒でした。しかしディープ産駒は出走数も多く、取捨選択が重要になってきます。つまり牝系に注目します。すると見えてきた傾向は、欧州型、もしくはStorm Catの米国型が好走するということです。Storm Catノーザンダンサー系なので欧州に源泉を持っており、他の米国型に比べて少し長い距離で活躍する傾向があります。

血統の傾向はやはり好走した人気薄に注目すべきで、近年で見ると

2019年 カレンブーケドール(父ディープインパクト母父Scat Daddy) 12番人気2着

2016年 ビッシュ(父ディープインパクト母父アカテナンゴ) 5人気3着

2015年 クルミナル(父ディープインパクト母父ブラッシンググルーム) 6人気3着

など、そもそも人気薄が走りにくいレースでも該当馬が近5年で3頭も該当しました。

 

またディープインパクト産駒以外だと父が欧州型の血統。例を挙げると

2018年 リリーノーブル(父ルーラーシップ母父クロフネ) 4人気2着

2017年 モズカッチャン(父ハービンジャー母父キングカメハメハ母母父Storm Cat系) 6番人気2着

などが該当します。

 

今年は新種牡馬であるエピファネイアキズナの産駒が出走しておりこれらの取り扱いには少し困るところもありますが、エピファネイア産駒は溜めて末脚勝負、キズナ産駒はパワーで先行し押し切るタイプが好走しているためそれに合う牝系ならば買ってみるのもいいかもしれません。エピファネイアは比較的サンデーの血が薄めなので牝系からもサンデーの血を補強、キズナ産駒は先行してそのまま押し切るために牝系からスタミナの補強と米国型ノーザンダンサー系などのスピードの持続力が補強できればチャンスはありそうです。

 

・注意すべき馬

ここでは、たとえ人気であっても注意したい要素、つまりこのレースでは決定的なマイナス要素を紹介します。

①1600m以下の距離でしか好走したことがなく、上の血統に当てはまっていない

桜花賞路線組は1600mのレースを使ってきた馬がほとんどで、距離が大幅に延長される今回に適性があるかは血統を頼りに見るべきである。オークスで好走した馬はその後中長距離で活躍していることからもわかるように、中長距離適性が必須なこのレースにおいてマイル適性で好走してきたような馬は好走することはないだろう。

②後方からの馬

東京の馬場はスピードが乗りやすく、直線が長いとは言え外を回されてしまうと差しが届かない危険がある。逆に内枠の先行馬の方がかなり有利で、1、2枠の先行馬は回収率も高い。

 

 

・予想

◎デアリングタクト

無敗で桜花賞を制した同馬。かなり馬場が渋った前走でも末脚を伸ばして勝っており、さらにレース経験を積んだ今回ならより高いパフォーマンスを発揮するでしょう。サンデーサイレンスの4x3の強いクロスを持っているため日本の芝適性がかなり高い一方で、4代前にはサドラーズウェルズダンチヒを持っており欧州型の血統も兼ね備えている。米国型の血がほぼ入っていないため先行するパワーには乏しいが、デビューから三戦連続で上がり最速なのでここでもその末脚を発揮してくれれば。唯一のマイナス点が後ろからの競馬になることです。

◯クラヴァシュドール

桜花賞路線組。牡馬混合戦でサリオスの2着になっており牡馬相手にも戦えているのが心強い。これまで1600mしか使ってこなかったが、走法的にも距離は持つと考えられる。また血統的には父ハーツクライに母父Giant's CausewayとStorm Cat系。先に述べた父ディープ母父Storm Catと比べると少々スタミナ寄りではあるがその分距離延長には強いと思われる。前走桜花賞も最も不利が大きかったと思われ、巻き返しはあるだろう。

 

▲デゼル

デビューから2戦2勝。それも昨年穴を開けたカレンブーケドールが勝ったスイートピーSを余裕の勝利で間違いなくポテンシャルが高い。血統的には父ディープインパクトで母父はブラッシンググルーム系で欧州型。血統的にもあっており、ディープインパクト産駒のこの時期の成長力を加味すればかなりいい勝負はできるだろう。ただやはりレース経験の少なさと後ろからの競馬になってしまうことがマイナス要素。届かないこともあるかと思い単穴まで。

△アブレイズ

デビューから2戦2勝でフラワーカップを制した。先行して粘ることができるのが強みで、父キズナの先行力と母父ジャングルポケットのスタミナがうまくかみ合えばこの馬の特性を活かすことができるのではないかと思う。いくらか実戦不足が不安視されるが、キズナが少々早熟感があることを考えるとあながちマイナスとは言えないかもしれません。

△ミヤマザクラ

クイーンC桜花賞と使ってはいるもののその前は京都2歳Sを使っており、結果もマイラプソディの2着でより長い距離を得意にしているように感じる。それでも桜花賞は5着で悪くない結果。血統的に父ディープインパクトだが牝系がいまいち当てはまらずあまり推せない。それでも少し気になったので買い目に含めることにした。これでダメなようなら来年からは血統をより重視していく。

 

△リリーピュアハート

メンバーの中で唯一2400mを経験しており、その点で評価できる。前走は距離短縮でさらに馬場が渋っていたということでこの馬にはマイナスが多かったものの忘れな草賞で三着。今回は距離延長ということでプラスに働きそう。血統的には父ディープインパクト母父Galileoと欧州の血を大きく持っており、気になる一頭。想像よりも人気にはなっているが外せない。

△ウインマリリン

前走フローラSで東京2000mを経験しているため他の馬よりも延長の幅は小さい。桜花賞路線からは外れてオークスをめどに仕上げているのもよい。ただスクリーンヒーロー産駒の好走歴は少なく、乗り替わりもあって連下まで。

 

皆さんの予想の参考になれば。

ヴィクトリアマイル

・レースの概要

ヴィクトリアマイル東京競馬場で行われる牝馬限定のマイルG1。

例年強力な古馬牝馬が参戦しており、過去にはウォッカブエナビスタアパパネなどの名馬たちが勝利を収めています。その一方で比較的荒れる傾向にあり、

2019年 三連単17万5040円

2017年 三連単91万8700円

2015年 三連単2070万5810円

とここ5年で3回も三連単の配当が10万越え。

またリピーターが多いことからもこのレースに対する適性が重要になっていることがわかります。具体的には

ジュールポレール(2017年7番人気3着、2018年8番人気1着)

ストレイトガール(2014年6番人気3着、2015年5番人気1着、2016年7番人気1着)

ヴィルシーナ(2013年1番人気1着、2014年11番人気1着)

などが挙げられます。一方で一度は好走したもののその後は惨敗する馬もおり、リピーターの取捨選択も大事になってきます。

今年はダントツで一番人気が予想されるアーモンドアイが参戦しますが、果たして人気通りの結果となるのでしょうか。

 

・臨戦過程

前走として一番多いのは阪神牝馬Sでしょう。同じ1600mを使用し、G2という比較的高いレベルであるためある程度の指標にはなるのですが、阪神競馬場東京競馬場のコース形態の違いや馬場状態の違いなどの理由から求められる適性も異なってくるため阪神牝馬Sで好走したからといってヴィクトリアマイルでも好走するわけではありません。1600mで行われるようになった2016年から昨年まで、阪神牝馬Sの勝ち馬はいずれもヴィクトリアマイルでは馬券圏外。

阪神牝馬Sの結果は素直に信じず、東京競馬場に変わることによる上積みが大きい馬をチョイスするのが良いでしょう。

 

・買いの血統

高速馬場

基本的には先週のNHKマイルと同じ舞台のため上位に来た馬と同じような血統を買うのが良いのですが、ただ一点、先週は3歳馬の戦いだったことを忘れないことが大事です。

基本は東京競馬場のマイルなのでディープインパクト産駒が強いです。父がディープでなくともサンデーの血が入っていないと厳しいでしょう。牝系はミスプロノーザンダンサー由来のリファール系、デピュティミニスターが入っているとこの時期の馬場と合うでしょう。

・ジュールポレール 2017年3着2018年1着

ヴィルシーナ 2013,2014年1着

レッドアヴァンセ 7番人気3着

 

以上はこのレースでよく好走する差し馬の買いの血統ですが、先週のように前残りになるパターンで好走する血統というのは当然変わってきます。(先行押し切り)

近年では2015年が典型的な前残りのレースで、

1着 ストレイトガール(母父タイキシャトル(米国型))

2着 ケイアイエレガント(母父A.P.Indy(米国型))

3着 ミナレット(母父ウォーニング(米国型))

と見事に母父が米国型マイラーの血統で、2、3着馬の父系にキングマンボの血が入っているのも興味深い。米国型のパワーで押し切るというイメージ通り母父米国型マイラーをお勧めします。

また特に4歳馬では仕上がりが早いDanzigもプラスです(脚質に依らず)。

個人的に最も注目しているのはIn Realityの血です。マッチェム系の短距離を得意とする血統で、あまりメジャーでないため狙いたい血統となっています。(ストレイトガール等)

まとめると、高速馬場は短距離適性がある馬が有利

 

渋った馬場

欧州型のスタミナ血統サドラーズウェルズ(フェアリーキング)ノーザンテーストの血を持つ馬を推奨します。実際に馬場が渋った2017年、2018年は

・ジュールポレール(2017年3着、2018年1着)

ディープインパクト、母父はフェアリーキングの仔エリシオで欧州型

リスグラシュー(2018年2着)

ハーツクライ

・アドマイヤリード(2017年1着)

ステイゴールド

など父や母父に欧州型の血統を持つ馬が馬券に絡んでいます。つまり中長距離適性がある馬が有利!

 

 

・注意すべき馬

ここでは、たとえ人気であっても注意したい要素、つまりこのレースでは決定的なマイナス要素を紹介します。今回は一つです。

①最後方から直線で差す

高速馬場になった場合、後ろからの競馬では間に合わない傾向にあります。2015年の2番人気ディアデラマドレ6着などがそれに当たります。先週のNHKマイルもそうであったように、この時期雨が降らなければ高速馬場になることが多く、週末の天気次第ではありますが先行馬が比較的有利です。穴馬を選ぶなら先行馬を狙うのがいいでしょう。

②血統と馬場が合わない

これはある意味いつも通りのことなのですが、特に今回は週末の天気にかなり左右されるので注意という意味で二つ目にあげさせていただきました。詳しくは上の買いの血統のところをご覧ください。

 

・予想

天気が読めないのですが、良よりの稍重の想定で予想します。

◎アーモンドアイ

特に多くを語ることはないのですが、唯一対応できない可能性があるとすればパンパンの良馬場でのマイル戦だったのですが(もちろん極端な不良馬場やスプリント戦などを含めれば他もあるのですが)、稍重想定の場合問題なくなってしまいました。中距離を走ってきたイメージがありましたが、体型を見るとマイラーの雰囲気が漂っています。昨年スタート直後不利を受けながらも最後の直線凄い末脚で3着に入ったことからもマイル適性を不安視する必要もないでしょう。普通に走れば1着です。

 

◯ノームコア

昨年の勝ち馬。昨年と今年では馬場状態が多少異なるとは思うが、稍重富士Sも勝っているのは心強い。ハービンジャー産駒で母父クロフネということで米国血統を濃く持っており、適性は納得です。過去の成績から距離延長が不安ですがそこさえなければ外枠でもいい競馬をしてくれそうです。(クロノジェネシスの半姉ということで応援しています。)

▲シャドウディーヴァ

少し重くなった馬場の場合を想定しての単穴指名。父ハーツクライで欧州的なスタミナを補強し、母父にはダンシリと米国型の血も持っており何気に想定される馬場に一番あっているかもしれません。ただ実績が他の人気馬に比べ落ちることから単穴までにしました。

 

△ビーチサンバ

東京マイルに強いクロフネ産駒。渋った馬場でもそれなりの成績を出しており、多少渋っても大丈夫だと思われる。ここ2走でいずれもサウンドキアラに負けてはいるものの、舞台が得意の東京マイルに変わり外枠に入ったサウンドキアラに対して内枠を引けたので、うまく先行できれば馬券圏内もありえる。

 

△メジェールスー

二戦前まで1200mを使ってきた馬。実際血統的にも母父にフジキセキを持っておりスプリンター寄り。しかしこのレースは短距離適性が要求されるためむしろ狙いたい。母エイジアンウインズもこのレースを制しており(母は前哨戦の阪神牝馬Sも制しているが)、きになる。人気のない馬でたまたま一発があるならこの馬か。

 

△プリモシーン

昨年の2着馬。当然東京マイルに適性があるものと考えられ、実際今年の東京新聞杯も人気に反して勝利している。ノームコアとの格付けに困ったが、馬場が回復しないことを予想すると渋った馬場で結果が出ていないことから連下に。

 

サウンドキアラ

 

目下重賞3連勝中。メキメキと実力をつけてきているのがわかる。しかも1600m,1400mで勝っているというのが良く、血統的にも母父アグネスデジタルはマイルに滅法強く、安田記念マイルCSを制しており、Danzig,In Realityの血を持つことからそれが裏付けられている。今回の条件とあっているが大外に入ってしまい、展開に恵まれないと厳しいかもしれない。

 

今回は稍重想定で予想しましたが良に回復するようであればシャドウディーヴァよりコントラチェックを採用します。

 

皆さんの予想の参考になれば。

NHKマイルC

・レースの概要

NHKマイルC東京競馬場で行われる3歳限定G1。

芝1600mが使用される。府中のマイル戦というありきたりな条件ながら3歳のこの時期で多頭数ということもあり経験の差や適性の差が勝敗を分けるため、高配当も出やすい。

2019年 三連単41万680円

2018年 三連単12万9560円

2017年 三連単29万6160円

とここ5年で3回も三連単の配当が10万越え。

1番人気の凡走、二桁人気の好走と両方のパターンがあり、結論からいうと枠順がかなり大きく関わってくる。

ここ10年のレース映像を見返してみると4コーナーを過ぎたあたりで逃げ、先行馬の足が止まり始め馬群が急激に詰まる。ここで壁ができるため内に進路をとっていた差し馬は思ったように進めず後退。一方かなり後ろにつけていた馬でもすんなり外に出せた馬は馬場の中どころを通っても差し届く。

前者の代表例は2018年1番人気12着タワーオブロンドン、 後者の代表例は2019年14番人気2着ケイデンスコール。

 

・臨戦過程

臨戦過程は僕の大事にしていることの一つ目である「成長度」に直接関わってくるファクターです。

ほとんどの馬がアーリントンCニュージーランドT毎日杯ファルコンSのいずれかからの出走。しかしながらいずれも東京競馬場以外で行われているため、大まかな力量差はつかめても東京適性などで逆転もあり得てしまい、ここの勝ち負けをそこまで重視する必要はない。

ただ過去の穴馬の一つの特徴として、これら前哨戦での成績はよかったもののそれまでの成績があまり芳しくないなどの理由からフロック視されたりして本番でも人気せず結果穴馬になるということがあります。(昨年3着のカテドラルはアーリントンC2着ながら7番人気) 

ちなみに今年の前哨戦の評価は

アーリントンC毎日杯>NZT>ファルコンSです。

・買いの血統

逃げ馬と差し馬で買いたい血統はかなり違ってきます。

逃げ馬はダイワメジャー産駒。差し有利なレース展開になりやすいこのレースで馬券になる逃げ先行馬は大抵が人気馬です。その中で数少ない穴を演出する逃げ先行馬はダイワメジャー産駒を買っておけば問題ないです。そのほかにはクロフネ産駒も狙い目で、人気馬も含めた逃げ先行馬の好走例は、

2019 アドマイヤマーズ 2人気1着 (ダイワメジャー

2017 アエロリット 2人気1着 (クロフネ

    ボンセルヴィーソ 6人気3着 (ダイワメジャー

2016 メジャーエンブレム 1人気1着 (ダイワメジャー

2013 フラムドグロワール 8人気3着 (ダイワメジャー

一方差し馬はそこまで大きな傾向はないものの昨年はハーツクライの血を持つ馬が2頭も馬券になるということからも中から長距離適性のある馬を狙うのが良いと考えられます。

 

・注意すべき馬

ここでは、たとえ人気であっても注意したい要素、つまりこのレースでは決定的なマイナス要素を紹介します。

今回は一点だけで、

・内〜中枠の差し馬

前半のペースが速くなり、直線で前が壁になりやすいので内の差し馬がうまく外に出せず凡走するというパターンは多く、先ほど挙げたタワーオブロンドンの他にも2017年1番人気17着カラクレナイなど。逆に差し馬は外枠の方が狙い目。

 

・予想

◎レシステンシア

桜花賞はデアリングタクトに敗れはしたがこの馬は本当に名馬だと思う。どんな馬場でもこなし、どんなペースでもしぶとく逃げる。逃げ馬ながら直線で後退していくという印象が全くない。重馬場の桜花賞では流石にデアリングタクトの異次元の末脚に持って行かれたが良馬場開催が予想される今回なら最後まで伸びてくれると信じている。

血統的にはダイワメジャー産駒で逃げ馬というのがぴったりはまっているし、2016年勝ち馬のメジャーエンブレムと血統(父ダイワメジャー、牝系にサドラーズウェルズダンチヒなど欧州色の濃い血統)や臨戦過程、脚質など何から何まで重なって見える。

枠も二枠と内のほうを引けて死角はないだろう。

◯サトノインプレッサ

新馬戦、1勝クラス、G3とデビューから3連勝中。特に印象的だったのは前戦。出遅れて最後方からの競馬となったがメンバー中最速の上がりで勝利。しかもラスト3Fだけで、2番目に上がりが速かったアルジャンナに0.4秒差つけていた。デビューから常に重、稍重馬場を使っており軽い芝に変わるのがどうかというところはあるが、父ディープからもむしろ軽い馬場の方が得意だと考えられる。ここ二戦続けて出遅れているがこの馬の足なら後方からでも届くだろう。差し馬の八枠での成績が良いため枠での評価も高い。

血統面では父ディープに加えて母サプレザは英マイルG1で三連勝するなどマイル適性もあると見え、問題ない。名手武を背に最後の直線を駆け上がってきてほしい。

▲ボンオムトゥック

前走アーリントンCはこのレースにも出走しているタイセイビジョン、ギルテッドミラー、プリンスリターンに敗れているがタイセイビジョン以外の二頭とはほぼ差がない。何より注目したのは最後の伸びである。ボンオムトゥックのみがゴール手前でもグングン伸びており、実際上がり3Fはタイセイビジョンについで2番目。つまり前走はエンジンがかかりきる前にゴールしてしまった形で、さらに直線が長くなる今回なら狙える。特にタイセイビジョンを枠の影響で切ったことでアーリントンC組では一番評価している。

血統的には父クロフネ、母父ダイワメジャーと狙いたい血統。

唯一不安な点は鞍上が初騎乗の田中勝春だということです。

△プリンスリターン

内枠先行馬でレシステンシアの次に買いたい馬。ハイペースで先行馬にとって不利だった前走もしっかり残して3着。いつもそのしぶとさで人気以上の活躍をしている。輸送を経験しているのも強み。先に挙げた馬はいずれも輸送を経験したことがないのでどう転ぶかわからないところがある。他の馬が輸送の悪影響を受けるようなら。

 

△ハーモニーマゼラン

ダイワメジャーの先行馬なので人気はないが買っておきたい。(切っても良いのかもしれない)

△ルフトシュトローム

新馬、1勝クラス、G2と3連勝中。いずれも最速の上がりを使っており、外枠の差し馬としては狙いたい。ただ似たような血統の馬にガロアクリークがおり、同様に中山に適性があっただけのようにも思える。かなりコース形態が変わる今回はどうか。また、前走はそこまで相手関係が強くなかったためそこで辛勝なようでは少なくともサトノインプレッサより評価を上げることはできない。

 

△ウイングレイテスト

 朝日杯、ファルコンSは大敗したが、前走ニュージーランドTでは大外を回しての三着。勝ち馬ルフトシュトロームとの差は走ったルートの差だろう。何よりも馬体を併せてからの粘り強さがあり、隣のサトノインプレッサとともに突っ込んできても不思議ではない。同じウインマリリンがG2で勝利したこともプラス材料。

 

皆さんの予想の参考になれば。